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天使の贈物

　　
龍柄の女帝「Cちゃん」のことを表するのに、「ビールの次は、ビール」と言うのは、実際彼女を店のカウンターで知っている人は納得だと思うが、じつはこのセリフは映画「ノーカントリー」の中で使われたものなのだ。


注 : 思いっきりネタバレ入ります。未見の方はご注意下さい。


オカッパ頭の殺し屋「ハビエル・バルデム（必見 ! ）に追われてメキシコまで逃げ延びた「ジェシュ・ブローリン」（ プラネット・テラーのサイコなドクターとは思えないほど、どことなくチャールズ・ブロンソンを思わせる）は、プールサイドで日なたぼっこする女に「ビールでも飲まない ? 」と声をかけられる。
ちょっとした下心で「ビールの次はどうするんだ」と返した答えが、「ビールの次は、ビールよ」となる。
ここで去っていれば難を逃れたかもしれないのに、「ジェシュ＝ウェリン・モス」はその誘惑に乗ってしまい、あっさりと、ほんとうに裏切られたかのようにあっさりと殺し屋「シガー」に撃ち殺されてしまうのだ。
「ジェシュ＝ウェリン・モス」の人生は、ちょっとした下心で転落し、そして終わる。
この無常観や、老いた保安官「ベル＝トミー・リー・ジョーンズ」を襲う厭世観を、コーエン兄弟は淡々と、あえて音楽や効果音を排してじわじわと圧迫するような緊張感で描く。
オヤジ的には、目下のところ本年度一番の映画であります。


そのシーンをシネコンの前の方の席で観ていたオヤジは、思わず後ろを振り返って笑いそうになった。
だって、偶然にも後方の席には「ビールの次は、ビール」と実際に宣うお方が座っていらっしゃったのだから。
このニヤッとする感じは、やはり映画を観た「宇宙人ジョーンズ」も共有している。
「Cちゃん」の誘いに乗ると、オカッパ頭の殺し屋に殺されちゃうのだ。
危うし、危うし。

しかし彼女は、じつに旨そうにビールを飲む。
そんなに飲んで身体は大丈夫なのかと訊いたら、医者から「エベレストに登れるほど健康です」と言われたそうな。
さすがは「ビールの次は、ビール」を実践しているご仁だ。
全身龍柄ずくめで、ブイブイ街を闊歩して怖い物なしの天下無敵みたいに思われるがさにあらず、ほんとうは回りのことを気遣い、オロオロする小ねずみのような性格なので、龍柄はプレッシャーを跳ね返すためのパーワードスーツのようなもなのだ。
と、本人はおっしゃる。
すでにカウンターで独壇場の彼女の弁を聞きながら、「日本天然党・営業部長」に就任した「スチャラカ旦那」と顔を見合わせるオヤジであった。


この夜「日本天然党・営業部長」から、「玉子まるごとプリン　天使の贈物」というとても面白い玉子を頂いた。
これは見た目はちょっといい玉子なのだが、カラを割ってみるとプリンのような色と食感のかたまりが出てくる。
そのまま食べると濃厚な玉子の味だが、付属のカラメルソースをかけたとたん、なんとプリンに早変わり。

詳しくはこちらを見た方が早い　→　「天使の贈物」

一緒に「朝採れもみじ卵」という高級な卵も頂き、こちらはぜひ生で味わってほしいとのこと。
「日本天然党・営業部長」はこんなにいいものをオヤジに食わせて、いったいどうしようというつもりなのだろうか。
生卵の丸呑みには、「ロッキーのテーマ」がつきものだ。
丸呑みした後、土手を走らねばならんじゃないか。
つるんと呑んで、再びリングに立てということか ?
しかし「日本天然党・営業部長」は、カラのまま呑み込むのがよろしいなどとシラッと言う。
呑み込んだら腹を床に打ちつけてカラを割るのがよいと言う。
おいっ !　わしゃ蛇か ?

今朝体重を計ったら、65キロ;代に突入していた。
温泉へ行く前、体調を崩す前は最悪のデブデブちゃんの73キロだったから、なんと1ヶ月余りで8キロも減量した。
身体年齢は前回の計測より1才若返り、48才になっていた。
このままいったらどんどん体重は減り、どんどん若返り、「こちょこちゃん」のようないたいけな幼児に返り、しまいには消滅してしまうかもしれない。

それはマズい。
「エベレストへ登れる」ほどの女帝には及ばないとしても、「ビールの次は、ビール」と言えるオヤジに戻りたい。
こうなったら「日本天然党・営業部長」の言う通り、卵を丸呑みして精をつけるしかない。
もちろん蛇でも龍でもないので、お皿に割って、楊枝を差しても崩れない丈夫な黄身を確認してから噛むようにして呑んだ。
旨い !　
頭の中に「ロッキーのテーマ」が鳴り響く。
「日本天然党・営業部長」に電話して一緒に土手を走ろうと誘おうと思ったら、あいにくの雨だった。
仕方がないから頭の中でシャドーボクシングをして、「エイドリアーン」と叫んだ。

本日、天気荒天なれど、元気 !!

セックス:

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