June 22, 2006

エロイム・エッサイムのオカリナ


かつては愛着があって大事にしていたモノが、なぜか情熱が薄れ、執着しなくなっても、捨てたりできないで、目の届かないところに放っぽって忘れていることがよくある。

なにかのキッカケでこの忘れていたモノが発掘されると、いっぺんに思い出が甦り、もう一度蜜月の日々を復活させようかと思ったりする。

自転車のパーツを発掘しているときに、また一つ思い出の品が掘り出された。
画像の表示「オカリナ」

学校の縦笛はあんまり好きではなかったが、この「オカリナ」はどうしても欲しくて、楽器屋さんのショーウィンドーに飾ってあるのを何度も見て、シコシコ小遣いを貯め、意気揚々と買いに行ったのだ。
その楽器屋さんも今はなく、オカリナ教本もどこかへいってしまった。
しかし、まじめに音楽を奏でるというよりも、NET(現・テレビ朝日)で放映されていた、水木しげる原作の「悪魔くん」で、主人公の「悪魔くん」がいうことをきかない「メフィスト」を従わせるために吹いたオカリナに似ていたので欲しかった、というのが本音だ。

魔法陣の中で「エロイム・エッサイム」と唱え、地獄から出現した「メフィスト」の力を借りて、色々な事件を解決するというお話だが、半ズボンの少年に支配されることを快しとしない「メフィスト」はたびたび反抗する。
そんな時「悪魔くん」がオカリナを吹くと、タキシードにシルクハットをかぶった「メフィスト」の頭のてっぺんから白煙が上がり、悶え苦しみ「わかった、わかった」と懇願し、事件解決に協力するのだ。

そうか、今なぜこの「オカリナ」が再びオヤジの手に戻ったのかがわかったゾ。
週末になるとサバトのように集まる「東京蟒蛇倶楽部」の面々が悪魔に変身し、制御不能に落ち入った時に“使え”という啓示かもしれない。
ひとたび「オカリナ」を吹けば、どこにいようとその効果はてきめんだ。

黄金町の怪しい飲み屋に引っかかっている「悪魔のあっくん」も、いよいよ寂しくなってきたオツムから煙を吹き上げ我に返り、財布を無くすことなく帰れるであろう。
「ヒトリモン」は“サマー”な髪型からモクモクと煙を上げ、「お客さん終電ですよ」と揺すらなくても、「何にも文句はありまっせーん!」と飛び起きるだろう。
ジーコジャパンがたとえ無得点であろうとも、中村さんにゴールを決めようとしている「刈り魔王」は、腕立て伏せの状態のままシューッと噴き出した白煙で先走ってしまうだろう。
チッチキチーと声を張り上げようとした「ウメ」さんは、吹き上がる煙に度肝を抜かれ、居住まいを正して、まるで借りてきた「芦屋のボン」みたいにおとなしくなるだろう。

ち、ちょっと、まてよ、わたしは「悪魔00」と公言して憚らないズンドコベロンチョなオヤジであった。
つまりこのオヤジが悪魔を制御しようと吹いた「オカリナ」で、自らが制御されてしまうではないか。
ウワッ、なんて自虐的。
これでは「オカリナ」を吹けないではないの・・・。
しかし、まちがってもauちゃんのオモチャにしてはならぬ。
ピッピラ、ピッピラところかまわず吹かれたら、店内煙だらけで、悶え苦しんで仕事にならんですがな。
やっぱり「オカリナ」は封印した方がよさそうだ・・・残念!

10:55:00 | mogmas | | TrackBacks