November 13, 2005

「名作」の誘惑に負けた

スチャラカなCちゃんの旦那さんは、時としてオヤジの喜ぶものを持ってきてくれる。
他所のお店でたらふく飲み食いした後に自慢しにやって来るので、その罪滅ぼしのつもりなのかもしれない。
今夜も他所で日本酒を飲んで来たとかで、席に着くなり「こどもびいる」と言うのだ。
その席はさっきまで2歳の男の子が座って「こどもびいる」を飲んでいた席なので、きっと伝染したのかもしれない。
実にわかりやすい人だ。

そんなCちゃんの旦那さんは、飲み食いの途中で外に出て行くクセがある。
多くの場合コンビニを冷やかし、何かを買ってくる。
そんなときCちゃんは、
「またあいつ、小踊りしに行きやがった」
と、とてもお上品におっしゃる。
コンビニに行くことを“踊りに行く”というのは、当店では普通のことになってしまった。
踊り疲れてレジ袋を下げて帰ってきたスチャラカ旦那は、たっぷりとCちゃんから怒られるのだ。

しかしそんな2人は、実はとても仲がいい。
ベタベタといってもいいくらいだ。
Cちゃんに言わせると「アメとムチさ」ということらしいが、旦那さんの趣味が「私を口汚く罵って」といことでもなさそうなので、世の中陰と陽、正と邪、凹と凸、なるほどよくしたものであると頷くばかりなのである。

Cちゃん旦那のお持たせは、以前2人に大好物だと言ったことがあるかた焼せんべい「石作」だ。
画像の表示「名作」とかいてあるが、オヤジの中では「石作」なのだ。
ご幼少の頃から「石作」と擦り込まれてしまっているので、いまさら直しようがない。

新潟県小千谷市にある「新野製菓」のかた焼せんべいは、その歯ごたえといい、たまり醤油を使用した蜜で濃いめに味付けされた香ばしさといい、やめられない旨さなのだ。
「第18回全国菓子博総理大臣賞受賞」で1袋156円のお値打ち価格だ。
小泉総理も組閣を検討中にバリバリ貪ったとか、なんとか・・・。

とにかくこんなものを持ってこられた日にゃ、気もそぞろになっちまう。
Cちゃん夫婦がお帰りになって、店を閉めると、もうがまんできなくなってしまい、袋を破りバリバリ齧りついた。
ナニを止められないサルのように、バリバリ、ボリボリ、3枚目でいかん、と気づき、サルからパンツを穿いたオヤジに戻った。
もう少しで「石作」の誘惑に負けそうだった。
危険なせんべいだ。
危うくオヤジの弱点をCちゃん夫婦に見られるところだった。
スチャラカ旦那もツミなヒトよのう。 


09:58:00 | mogmas | | TrackBacks