April 17, 2006

第二「砦」誕生

オヤジにとっての「最後の砦」は、時として入れない時がある。
深夜にも係わらず、行き場のない酔っぱらいたちがクダを巻く場はここをおいて他にないからだ。
外からその様子がわかるので、そういう時は諦めて家に帰る。
せっかくいい気持ちちゃんになっている酔っぱらいたちを、押しのけてまで店に入ろうとは思わない。
でも、何だか物足りない気持ちが家での深酒を誘うので、結果的にはよくないのかもしれない。

自宅に最も近い深夜営業の店だから「最後の砦」なわけで、手前に気のきいた店があればそこへ寄るのが人情だ。
およそ3年前ほどから時々様子を伺っている店が踏切の手前にあり、日曜日や本家「最後の砦」が定休日の月曜日などは、選択肢がないのでそこへ足を向ける。
その店の何がいいかというと、酒をまったく飲まないかあちゃんでも入れる気安さと、締めに「蕎麦」を食べられるということだ。
生ビールもちゃんと入れてくれるし、蕎麦湯割りの蕎麦焼酎が飲めるのもうれしい。
特に冬場は身体が温まって、自宅までの道のりも苦にならない。
ただ、歯ごたえのあるものが食べたい時は物足りない。
豆腐などの柔らかい素材を使ったつまみが多く、一様に上品だから。

まあ「最後の砦」にしても、長い年月通えば飽きもくる。
そろそろ第二砦が欲しいと思っていたのだ。
「蕎麦」を食わすその店で、今夜改めてメニューを見たら、「おろし蕎麦」があるではないか。
辛み大根をおろして汁に絡めて食す、この食べ方に近頃はまっているのだ。
昨年長野で初めて食べて以来、ヤミツキになってしまった。
東京ではなかなか辛い大根が手に入らないので、方々を探す羽目になり、めったに食べることができなかった。
鼻にツンときて、本当に辛いものなら汗が出るくらいで、ワサビは不要だ。
それでもあと味が爽やかで、身体に良い感じがする。
そんな辛み大根のおろし蕎麦が食べられるとあっては、今後足げく通わなければなるまい。
蕎麦焼酎とおろし蕎麦、締めを飾るのには最適な組み合わせではないか。

オヤジは今夜、この店を「第二砦」に認定する。
人が来て混んでしまうといけないので、あえて店名はいわない。
当店の常連さんたちはすでにご存知だ。
深夜街を徘徊する飲んべえだけが知る店でいいのだろう。
マスターもミーハーな客は望まないと思う。
普段着の店だからいいのだ。
末永くよろしくお願いしますのだ。

09:43:00 | mogmas | | TrackBacks