November 12, 2005

飲みやすい酒など、いらん!!

ある酒屋さん主催の展示会に行ってきた。
川島なお美の講演があったらしいが、自分の血がワインで出来ている、などという戯言をほざくおばちゃんには興味がない。
純粋にお酒と食材に関心があったのだ。

だが、実はすっかり開催日時を忘れていて、当日の午後5時までのイベントの1時間前に慌てて滑り込んだ。
こういうイベントの段取りはようくわかっている。
とくに残り時間があと僅かのときには、真直ぐお目当てのコーナーへ行き、とにかく飲みかつ味わうのだ。

カッと飲み、質問し、サンプルなどもらい、次へ移る。
カッと飲み、質問し、サンプルなどもらい、次へ移る。

これを5、6回も繰り返せば、いい気持ちちゃんになり、手にはカタログやらサンプルやら、営業マンの名刺などが無造作に突っ込まれた紙袋が膨らんでいるという案配。

日本酒、ウイスキー、そして焼酎と、短時間にかなり真剣に飲んだ。
酒蔵の人とも話が出来て、疑問に思っていたことも解決した。

その日最もグッときたのが「TOMATIN」の25年もの。
これをストレートでクイッ。
カァーッ、と口の中で広がる酒精が咽を下りて来る熱い刺激。
たまらん旨さ。小売価格3〜4万円は下らないという代物。滅多なことでは飲めません。
次に泡盛、忠孝酒造の「仁風」。
「忠孝」は知ってはいたが飲んだことがなかったので、いろいろ話を伺い試飲した。
そしてお勧めの「仁風」へ。
ボトルのデザインが沖縄らしくていい。味も香りも華やかでコクがある。くせのあるくさい泡盛ではないのに、実にオヤジ好み。
サンプルを送ってもらうことにした。

短時間だったがなかなか勉強になった。
総評。
どこのメーカーも女性を意識した、ライトで飲みやすいお酒を出品している。
デザインやネーミングも女性の受けを狙っている。
それは、いい。時代の流れだろうから。
しかし、本当にそれでいいのだろうかという疑問もある。
低アルコール飲料が市場を拡大している、という新聞記事の中に「アルコールのにおいが苦手な人でも飲みやすく・・・云々」とあり、それに憤慨していると、全くお酒の飲めないかあちゃんまでも「それなら飲まなきゃいいじゃない」と一緒になって怒ってしまった。
そんなジュースみたいな酒ばかり作って、子供に飲むな、という方がおかしくはないかい。
ビールが苦手な人でも飲みやすいとか、あと味が消えるなんてものを作る人の了見がわからない。

だいたい、最近は酒を飲む「覚悟」がない人が多すぎます。
TPOも考えず、毎度おなじみのウーロンハイや甘ったるい割りものを、若者のような勢いで飲む“大人”を見ると席を立ちたくなります。
だからチェーン店の大きな居酒屋には行きたくないのです。
もっとちゃんと飲んで、ちゃんと壊れましょうよ。
ちゃんとしたお酒を出してくれるお店を大事にしましょうよ。
先人たちが何百年も前から作り続けてきたお酒を愛でましょうよ。
愚痴などいわず、楽しくオバカに酔っぱらいましょうよ。
飲めなかったお酒を旨いと感じた瞬間に戻りましょうよ。
取りあえず今、オヤジには飲みやすい酒などいらないのです。







14:52:23 | mogmas | | TrackBacks

尻怪獣アスラ

働く女性や主婦に絶対お薦めしたいのが、食器洗い乾燥機だ。
たまった食器をイッキに洗ってくれて、乾燥までしてくれる。
便利この上ない。
空いた時間を有効に、またはダラダラ過ごせる。

以前、アルフレッド・ヒッチコック監督の傑作「鳥」を見ていたら、主人公の海辺の家に食器洗い機があり、ごく自然に洗いものをその中に入れて、食後の団らんを楽しんでいるシーンが登場した。
1963年の作品だということを考えると、アメリカはすごーく進歩的なのだ。

そんな便利な食器洗い乾燥機だが、ただ1つ難点があるとすれば、洗浄中の“音”だ。
しかし洗濯機もそうだったが、最近のやつは音も静かだ。
やがて静かなものも出て来るだろう。

モグランポではすでに食器洗い乾燥機を使っていて、アルバイト1人分に匹敵する能力の高さを実感していたので、我が家でも約2年前に導入したのだった。
そんなに古い機種ではないので、それほどの騒音というわけでは
ないのだが、居間でDVDなどを見るときには少々うるさい。
で、その晩新しいDVDを見ようと思っていたので、洗剤を入れてスイッチを押そうとするかあちゃんに、見終わってから自分がスイッチを入れるからそのままにしておいてくれ、と頼んだのだった。
「忘れないでよ」と疑い深い視線を送るかあちゃんを、生返事で追い出し、いざ観賞。

しかし観賞といっても、それほど構えてみる作品では全然ない。
TUTAYAさんにはしばらく行ってなかったので、見たいものが他にもたくさんあり、迷ったものの手に取ったのが、このあきらかにダメダメなタイトルのオバカ作品。
「尻怪獣アスラ」
ああ、何度も同じ過ちを繰り返してしまう己のアホさ加減に呆れる。
でもどれほどオバカなものか見たかったんだもーん。

原題は「RECTUMA」、直腸という意味。(私はけっして、こっち系の趣味があるわけではありません)
冒頭からなぜ「RECTUMA」が「アスラ」に訳されたかがわかる。
質の悪い、おしゃれでない衣装の2人のお姉さんが歌うのは、あの関沢新一作詞、ザ・ピーナッツ歌うところによる名曲「モスラ」のベタベタなパクリなのだ。
いきなり「アスラーや」とやらかしてくれる。
これだけで東宝が販売差し止めを請求できそうだが、ひどい内容の話はさらに拍車をかける。

メキシコの海岸で日向ぼっこをしていた男が、性欲の異常に強い「尻食いウシガエル」にレイプされ、余命数時間と宣告される。
藁にも縋りたい男は、日本から来た治せぬものはないという触れ込みの医者、「ワンサムサキ」(はっきり中国人)に治療してもらうが、その治療方たるや、放電する「核収縮棒」を尻の穴に突っ込むという過激なもの。
しかし、治療後毎日塩水で浣腸をしなければいけないのに、それを怠った主人公の尻は、自らの意志を持ち、宿主の身体を離れて巨大化し、人を襲う怪獣に変異するのだ。
この怪物を退治する専門家は「ワンサムサキ」の従兄で、東京に住む「タシラ」という男。(まんま中国人。しかも英語すら話せないので口ぱくの吹き替え)
「タシラ」いままで多くの怪獣をやっつけたという。
その怪獣とは「ゴジラ、モスラ、ラドン、アントラー、クリケトロン、ラセラ、パスラ、トチーシラ、シュメグラマ・・・」
そのエキスパートの考えた作戦とは、超辛いメキシコ料理を尻怪獣の肛門に打ち込んだ後、特大の栓をし、続いて人間を尻の中に打ち込んで内部で爆破するというもの。
その勇敢な自爆作戦を買って出たのは、アメリカの尻を蹴飛ばしたいと望む国際テロリスト「ソーマ・コム・ラーディン」だ。
作戦は見事成功。粉々に飛び散った尻の破片の中に「ソーマ・コム・ラーディン」の尻がある。
尻を失った主人公は、その尻を移植してもらうが、またしても術後に塩水で洗わなかったために、今度はタマ袋が突然変異で巨大化し「スクロトン」となって街を襲うのだ。
ちなみに「SCOROTON」は陰嚢の意味ね。

ネタばらしみたいに書いてしまったが、オバカなパクリと突っ込みをいれたいところは、まだ、まだある。
時間と金と品性を失っても構わないという人のみご覧ください。
一週間レンタルになってからで充分です。
「バンパイアVSゾンビ」を超えて本年度No.1オバカ映画にしたい作品です。ま、映画じゃないんだけどね。

夜の貴重な時間を失い、ため息まじりに布団にもぐり込んだオヤジは、すっかり食器洗い乾燥機のスイッチを押すことを忘れてしまい、翌朝かあちゃんにこっぴどく叱られてしまったのである。



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