April 29, 2006

不思議惑星キン・ザ・ザ

B級映画ナイト第2弾、『不思議惑星キン・ザ・ザ』。

画像の表示とっても“クーッ”な感じ。
この映画は1986年の作品で、旧ソ連全土で1520万人という驚異的な観客動員を誇り、人づてに噂で世界中に広まり、現在もファンが増えているというカルト的?なSF?
だが、てんでお金がかかっていない、失笑してしまうほどヘナチョコな特撮で、オバカなお話だ。
ただ、そこはかとなく社会主義を皮肉ったようなゆるい笑いが、ジワジワとボティブローのように効いてきて、不思議〜な後味を残す。

『冬のモスクワ、仕事を終えて家に帰ってきたマシコフは、妻にマカロニを買ってきてと頼まれ再び街へ。
街頭でバイオリンを抱えた青年に、自分は異星人だという男がいるといわれ行ってみると、寒空に裸足の薄汚い格好の男に「この星のクロスナンバーか座標を教えてくれ」と尋ねらるが、まっとうなソ運市民であるマシコフはそんな戯言を信じず、男の手の中にあった「空間移動装置」を押してしまう。
瞬間、マシコフと青年は砂漠のど真ん中にワープしていた。
途方に暮れて砂漠を歩き続けると、やがて空の彼方から鉄クズのような釣鐘型宇宙船に乗って現れたのは、これまた汚い衣服をまとったくたびれた労働者風のふたりの中年男。
呆れてしまうヘンな動作で「クー」と「キュー」の二言で会話をするふたりには、マッチがえらい貴重品らしく、なんとか会話が通じるようになってわかったことは、ここはキン・ザ・ザ星雲のプリュク星で、マッチ1本で宇宙船も買えるということだった。
さて、突然宇宙の果てに飛ばされてしまった地球人ふたりは、無事に帰還出来るのか・・・』

「クー」なふたりの異星人を演じたのは、70年代に「人民芸術家」として表彰されたロシア演劇界の重鎮だそうだ。
そんな人たちが、「鼻ツァーリ」と呼ばれる「鼻鈴」を付けたり、脱力系のコントのような芝居をしたりと、怪演のオンパレードでだらっと物語は展開する。
だらっとビールでも飲んで、だらっと見る分には「クー」な映画だと思いますがね。
ソ連が崩壊した意味が分かるかもしれない。



17:44:11 | mogmas | | TrackBacks

April 27, 2006

映画のはしご2

錦糸町の新しいシネコン「TOHOシネマズ」でケイト・ベッキンセールの「アンダーワールド エボリューション」を見たあと、1時間ほどの幕間を利用して食事をし、次なる映画館・楽天地へ移動。

画像の表示シネコンではないので座席の指定はできないが、余裕で見れそうな感じ。

「Vフォー・ヴェンデッタ」のご鑑賞でござい。


13:19:43 | mogmas | | TrackBacks

April 25, 2006

セリーナはアリスだった?

ヴァンパイアで凄腕の狼男ハンターの美女「セリーナ」は、今から8年前は、鏡の国をさまよう7歳半の「アリス」だったのである。
その後いろいろあって、「パール・ハーバー」で憎いジャップと戦争する羽目になり、戦後「アンダーワールド」でヴァンパイアとして目覚め、「ヴァン・ヘルシンク」も狼男だと知り愕然として彼の前を去り、「ハワード・ヒューズ」と浮き名を流し、再び狼男キラーとして帰って来たのだ。

しかし、フリフリのフレアースカートにエプロン姿で、ブリブリいわせながら鏡の国を探検していた彼女は、どう見ても7歳半には見えない。
現実世界で「ケイト・ベッキンセール」として生を受けたのが1973年だから、ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」を原作にした「アナザーワールド」でブリッコしていたときは25歳だ。
さすがに「セリーナ」のときとは別人。

画像の表示amazonなどではDVDがお買い得の最大22%OFFだって。まさにベッキン“セール”ですな。

ある日TUTAYAさんのSF・ホラー・スプラッターのコーナーで、いわゆるB級といわれる掘り出し物を探していて偶然見つけたのがこの作品だ。
イギリスのテレビ映画として作られたようだが、出演している役者さんたちはそうそうたるものだ。
とぼけた「白の王様」には、シアター・オブ・コメディの創設者「ジェフリー・パーマー」。
「イアン・ホルム」は「エリアン」のアッシュとは比べ物にならないほど愚鈍な「白の騎士」を演じている。
「ハンプティ・ダンプティ」役の「デズモンド・バリット」はピッタリのはまり役だと思う。
他にも英国の舞台・映画・テレビなどでおなじみのベテラン役者たちが脇を固めている。

かといって、この作品がすばらしいというわけではない。
比喩、隠喩のちりばめられたセリフは、英語では面白いのだろうが、日本語に訳すと何のこっちゃかわからない。
こんな時つくづくフランス生まれじゃなく、英国で生まれるべきだったと思うのである。
何のこっちゃかとまどうセリフの応酬と、アリス=ベッキンセールの中途半端なブリブリに、いつしかまぶたは重く垂れ下がってくる。
けっして真剣にご観賞しなくてもいい類いの作品は、そんなときは一時中断出来る。
DVDのパツケージやディスクには、
「パール・ハーバー」「アンダーワールド」
ケイト・ベッキンセールin
アナザーワールド
鏡の国のアリス

とご丁寧に表示してある。
パッと見ただけではこれがケイトちゃんだとは気づかないからだろう。
彼女がブレークしたので急遽プレスしたという感じだ。
けれども彼女のファンは、これも通過儀礼だと思って楽しむのがよいでしょう。

無数のビデオ、DVDの中からB級作品をを発掘するのは楽しい。
ついでにあと3本借りてしまったので、当分B級ナイトが続くのである。
当然、朝が辛いのだ。

11:41:12 | mogmas | | TrackBacks

April 22, 2006

メルおじさん吼える!!「プロデューサーズ」

ミュージカル映画はあまり好きじゃなかった。
「ウエストサイド物語」は何度か細切れで見たものの、通しで劇場で見たことはない。
そう告白したら「悪魔のあっくん」に“フン”と言われてしまった。
でも「雨に歌えば(Singin' in the rain)」は好きで、何度も見ている。
ジーンケリーの踊りは圧倒的にすばらしい。
歳をとるにつれてミュージカル映画の魅力がわかってきたようだ。
MGM全盛の頃のものもいいが、「オール・ザット・ジャズ」や「コーラス・ライン」、最近の「シカゴ」なんかもよかった。

でも、ミュージカルは陽気なコメディの方がもっといい。
「リトルショップ・オブ・ホラーズ」のサイコでクレイジーな笑いとノリのよい曲は、時々間を置いて見たくなる。
見終わった時のあと味が最高だ。

そんな嗜好だから、メル・ブルックスのミュージカル映画は興味があった。
ブロードウェイで大ヒットしたものの映画版だそうだが、もともとは1968年のメル・ブルックスの監督デビュー作のリメイクだ。
TUTAYAさんでその映画を探したがなかった。
だいたいメル・ブルックス作品自体が少ない。
「ブレージングサドル」と「サイレント・ムービー」があるのは確認済みだが、探し方が悪いのかどうか、他の作品も片っ端から見直したいので、わかりやすく監督別で置いてください。

あらゆるジャンルの映画や小説、演劇、人物、人種をおちょくりパロり、パワフルでいたずらっ子のような演技と演出で笑わせてくれるのがメル・ブルックス作品の魅力。
もう80歳を過ぎているだろうし、どうしているんだろうと思っていたら、この映画の話題だ。
ブロードウェイでも現役でご活躍だとは知らなかった。
しかも数々の賞を総なめ、彼自身はアカデミー賞、トニー賞、エミー賞、グラミー賞の4賞をすべて制覇した世界でわずか7人しかいないアーティストのうちの1人だ。

このすんごい評価の才人が作った、おバカで、下品で、ウイットにとんだ、おかしくてハッピーな映画、それが「プロデューサーズ」だ。
一癖も二癖もあるクレイジーな登場人物が、魅力全開で歌い踊り、流れるようなカメラワークがミュージカル映画の真髄を堪能させてくれる。
2時間14分の上映時間はあっという間に過ぎていく。
史上最低のミュージカルを作って大もうけを企むなんて話を、お上品に受けとっちゃあいけません。
ヒロイン・ウーラ(ユマ・サーマン。惚れちゃうぜ!!)に思わず下半身がスタンディング・オベイションしてしまう、というセリフやら、80過ぎの老婆のアソコをマグマのようにしてやるだの、お下劣極まりないセリフの応酬だが、不思議といやらしくなく、ゲスの会話にならないところがメルおじさんの面目躍如といったところだ。
それにもまして、主演のネイサン・レインはすごい。
ブロードウェイで名前だけで客がよべる大スターらしいが、見た目は普通のおじさんだ。
そのパワフルな演技に脱帽。
実に味のある、憎めないオヤジだ。

また随所に往年のMGM映画のオマージュのようなシーンが満載で、知る人は知るパロディのオンパレードにうれしくなってしまう。
映画のための舞台とは異なるシークエンスも見逃せない。
大勢の老婆の歩行器を使ったダンスや、映画ならではの華麗な見せ場も多い。
マナーの悪い観客は、エンドタイトルが流れ出すと席を立って出て行くが、それではこの映画を見たことにならない。
最後の最後に「メル・ブルックス」おじさんが登場し、一言吼える。
それを見届けて、とっとと劇場をあとにしなければいけない。
どれを取ってもメル・ブルックスの映画だ。
もう一度見たいくらいの映画だった。


09:59:00 | mogmas | | TrackBacks

April 21, 2006

うれしはずかし初体験。

今更恥ずかしいことだが、思い切って告白してしまおう。
実は、この歳になって、初体験で狼狽えてしまった。
なんとなく場違いな、お上りさん状態で、始めての施設をキョロキョロしてしまった。
ちゃんと前準備に会員カードをネットで申し込み、登録番号をプリントアウトしてカバンに入れ、意気揚々と出かけたつもりだが、まるでポッと出のお兄ちゃんのように緊張してしまった。

何のことかって、映画ですよ。
「シネコン」ってやつですよ。
何をかくそう、わたくし「シネコン」初体験でございます。
チケット売り場からしてアメリカンでオープンで、若いおネェさんのマクドナルドみたいな応対に戸惑うばかり。
ぎこちなく、会員登録した旨と、本日ご鑑賞の映画の題名を告げてチケットを購入、隣りの売店でヒールを買わずに、アイスティーなんぞをお買い求めになり、陽気なもぎりのおニイサンに見送られ、ずらっと並んだ劇場の開演を知らせるピカピカ光るサインを目印に、未知のシアターに足を踏み入れたのであります。

そこは映画館というより、イベントのシアターのようで、真新しい匂いがし、案内表示と足下灯は鳥目のオヤジにも親切で、余裕を持って作られた客席に腰を落ち着けると、前方には他のお客さんの頭は見えません。
よし、よし。
受付で座席を指定するときに、出来るだけ前の方の真ん中の席と
言ったら、「あまり前だと見えにくいですよ」とおネェさん。
ご心配には及ばない。
両目の端から端まで目一杯スクリーンを感じて、ふんぞり返って見るのが大好きなのだから。
このスクリーンサイズだと、前から4か5列目のセンターがベストだと理解した。

わーい、映画のはじまり、はじまりだぁい。
本日の映画は「プロデューサーズ」、劇場で見る久々のミュージカルだ。
メル・ブルックス好きにはたまらん映画だと期待大だ。
この感想はまた次回。

音もいいし、足も楽々伸ばせて、快適に映画を見ることが出来た。
この次からは事前にネットで、ピンポイントで座席指定のチケットを購入でき、ポイントもたまるという案配だ。
千住にもこんな映画館が出来たら、毎日でも行っちゃうのに・・・。
まあでも、案外近くて便利だから、ちょくちょく寄らせてもらいます。
「MOVIX亀有」でした。

15:11:51 | mogmas | | TrackBacks