December 13, 2006

眠りの森のオヤジ



慢性的な寝不足に落ち入っているわたくしは、それでもどんなに遅くに(早くに)寝てもせいぜい5、6時間で起きてしまう。
さすがに3、4時間で目覚めた日には、午後の甘美なシエスタをいただきます。
そして、年に1度くらいは大爆睡の日もあるのですが・・・。

先日、「ヒトリモン」持参の悪魔の酒「菊姫」に搦めとられておよそ12時間の大爆睡をした翌々日、きれいさっぱり元気になったと思っていましたが、夜中に食べたものがいけなかったのか、胃も頭も弱り切っていたせいか、朝から気持ちが悪く、胃のあたりが重く、身体に力が入らない。
大正漢方胃腸薬のお世話になるも、まるで気力が萎えてしまって、かあちゃんに仕込みを頼んで、再び寝床に入り、眠りの森に還りました。
夕方4時近くまで眠りの森を彷徨い、通算12、3時間の睡眠をとって甦った。
そしてさらにまたその翌々日、わざわざ遠方より来店してくれた「横浜のふとっちょくん」が、仲間と解散した閉店後、訴えるような目をして朝まで呑みましょうとわたくしを口説くのでありました。

乞われて答えないような野暮はしたくないわたくしですが、心と胃袋の一部が「このオヤジ、調子こいてんじゃねぇぞ」と訴える声も確かに聞こえていました。
かあちゃんはさっさとお先に帰り、12時過ぎの冷えた街をあまり歩かずに、近くの店に入ることにしました。
少々壊れてもあまり他人様に迷惑がかからなそうな、しかも確実に朝5時までやっているチェーン店の居酒屋で、「横浜のふとっちょくん」と差し向かいに座り、1杯が2杯、2杯が3杯と、確実に酔っぱらいの道を進み、ビールと泡盛のボトルを飲干し、店員さんから「すいません閉店です」といわれるまでクダを巻いた我々は、早出のお勤め人に蔑んだ目で見られながら、恒例の朝マックでコーヒーをすすり、とうに始発の動いている明るくなった駅前で、「横浜のふとっちょくん」と別れました。

それからのわたくしの行動は、記憶の一部が欠落しているためによくわからないのですが、どこかで何かを食べたような、だれかに何かを謝ったような、だれかと笑顔で挨拶を交わしたような、朝日がまぶしくてイラッとしたり、朝の寒さに震えながら家まで帰ったような気がいたします。
そして眠りの森に吸い込まれ、朝日が夕日に変わり、昼が夜になった午後8時半頃まで、丸1日を寝たきり酔っぱらいとして過してしまいました。
熱い風呂につかり、冷静に前の晩の言動を考えてみても、やはり馬鹿だな、ということを再確認しただけでした。
こんな夜は、家族のよそよそしいこと。
だれも話しかけず、冷ややかな目で見られ、わたくしはスゴスゴと林檎の陰に隠れ、この反省文を書いているわけです。

「横浜のふとっちょくん」も、長い1日を忸怩たる思いで過したことでしょう。
年長者として、ときに歯止めをかけることも必要なのでしょう。
しかし歯止めをかけると、「どうして、なんで ? 」と逆に突っ込まれてしまう因果な現実もあるわけで、わたくしはもう考えないように、再びつかの間留守にした眠りの森に還ることにしましょう。
おやすみなさい。

果報は寝て待て、阿呆は寝ている。

大爆睡、寝たオヤジは起こすな。

北朝鮮から核ミサイルが降ってきたら、あの世でお目覚めだ。

寝だめはできぬとわかっちゃいるが、眠りは薬、眠りは身体をリセットさせる。

大爆睡、寝たきりオヤジの水曜日・・・。


23:56:25 | mogmas | | TrackBacks