December 05, 2006

縁の下の炎

  
「鉄板少女アカネ」ちゃん愛用の鉄板「一徹」は、厚さ5センチで磨きのはいっていない、黒々として使い込まれた逸品だ。
推定重量60キロは下らないと思われるのに、アカネちゃんは軽々と「一徹」を片手で背中に担ぎ颯爽と歩いている。
先週の放送で「頼むよ、一徹」から、「いくよっ ! 一徹」に決めゼリフも変わったが、点火すると炎が渦巻き龍になるのは同じだ。
厚さ5センチの鉄板を適温にするためには、それこそ炎は龍の如く激しく燃えなければならないだろう。

さて、現実の我がモグランポの鉄板は厚さ2.2センチ、「一徹」の約半分の厚みだが、縦横はもう少し大きい。
重量は1枚ゆうに60キロは超える。
たまに鉄板をずらしてお掃除をするのに、オヤジはヒィヒィいってその重量をささえているのだ。
アカネちゃんとは大違い・・・。
先日、メインの鉄板の名前が決まった。
その名も「虎徹」、命名はかあちゃん。
珍しく最適なネーミングをつけてくれたが、かあちゃん的には「小鉄」のつもりだったのだろうと思う。
その場にいたAさんも「山本小鉄」を連想したようなのだが、オヤジは間違いなく「虎徹」といいたい。

「虎徹」とは、江戸時代前期の刀工で、古鉄とも称し、地鉄が緻密で切れ味が鋭い名刀を作り出した江戸刀工を代表する一人だ。
新撰組の近藤勇が愛用したことでも有名で、芝居などのセリフ「今宵の虎徹は血に飢えておるぞ」などから、恐ろしい切れ味の妖刀のようなイメージを持つ人もいるかもしれない。

その「虎徹」の名を冠した鉄板もすでに9年以上使い込んだが、毎日の鉄板掃除のおかげで、今でもピカピカの輝きを保っている。
だから、閉店近くなって鉄板に焼き色がついていなければ、その日はヒマヒマちゃんだったことが一目瞭然なのである。
そうならないことを祈り、本日も鉄板に火を入れる。
「いくぜよ、虎徹 ! 」と「鉄板オヤジ・バカネ」ちゃんは言って、炎を全開にする。
お客様の目に触れることのない鉄板の裏側で、炎がキングギドラの形になって渦巻く。
その炎の勢いは、「妖星ゴラス」の衝突を避けるため南極に設置された地球軌道を変えるジェット噴射口から出た炎のようだと、「鉄板オヤジ・バカネ」ちゃんはいつも魅入ってしまうのだ。

縁の下の炎 posted from フォト蔵

燃えよ虎徹 !
今宵の虎徹は火に飢えておるぞ。

15:25:42 | mogmas | | TrackBacks