February 04, 2006

アホウはエホウがわからない!!

千住市場の露店で売られていた1980円のお買い得CASIO電子辞書で「恵方」を調べてみた。

え-ほう【恵方】
    古くは正月の神の来臨する方角。のちに暦術が入って、     
    その年の歳徳神(としとくじん)のいる方角。あきのか 
    た。吉方(えほう)。

広辞苑でこう出ていたが、なんのこっちゃかわからない。
ちなみに我が家にある「新村 出編 第二版補訂版 広辞苑」でも、全く同じに書いてあった。
指一本で持てる電子辞書と比べると、重量は何十倍にもなる辞書だから、手軽に活用されなくなったのもしょうがないことだ。
更に定価は9000円、電子辞書との価格差4.5倍。当時よくこの辞書を買ったもんだ。
などと横道にそれて、結局「恵方」がどう決まるのか、なぜ巻き寿司を食べるのかはわからずじまい。

昼間とはうって変わって冷たい風が吹きすさぶ、節分の夜。
cちゃんとスチャラカ旦那が大量の「恵方巻き」を持ってきてくれた。
スチャラカ旦那の会社のお付き合いで、普段から踊らされているコンビニ各店の「恵方巻き」を買わなければならないらしく、とても二人では食べきれない量なのでお裾分けというわけだ。
それにしてもかなりな量。
いかに貧しい我が家でも、完食出来るかどうか・・・。

ニュースで、大阪の人が大勢揃って「恵方」の空を仰ぎ、無言で巻き寿司を食べる映像を見て、南極のペンギンが空をよぎる飛行機を一斉に見上げる姿を連想してしまった。
かなりアホウな感じだったが、習慣とは恐ろしい。
でもそこに何か胡散臭いものを感じてしまったのは、この偏屈オヤジだけではないだろう。
きっとバレンタインデーのように、寿司屋か海苔屋か抜け目ない大阪商人が仕掛けた営業戦略に違いない。
調べてみた。

仕掛けたのは誰だ。

●大正初期……大阪の花街で、節分の時期にお新香を巻いた海苔巻きを恵方に向かって食べるという風習(流行り?)があった。

●1932年……大阪鮓商組合が「節分の日に丸かぶり 〜この流行は古くから花柳界にもてはやされていた。恵方に向いて無言で壱本の巻寿司を丸かぶりすれば其の年は幸運に恵まれる」と書いたチラシを配布。
当時のチラシが「本福寿司」(大阪中央区)に残っている。

●1973年頃……大阪海苔問屋協同組合が「節分の夜、恵方に向かって無言で家族揃って巻き寿司を丸かぶりすると必ず幸福が回ってくる…と昔から言い伝えられています」と書いたチラシを、寿司屋に海苔を納める時に配った。
当時は大阪のデパートでも「2月3日 幸運巻き寿司売り出し」と宣伝販売されていたらしい。

●1977年……海苔業界による街頭イベント「海苔祭り」が大阪・道頓堀で開催され、「節分の丸かぶり」を取り入れた「巻き寿司早食い競争」が行われた。
これがマスコミに取り上げられて全国に知れ渡ったのをきっかけに、全国主要都市の「海苔祭り」でも宣伝されるようになる。

●1989年……広島のセブンイレブンが恵方巻きの販売開始。
翌年より販売エリアが広がり、95年には関西以西の地区、98年には全国エリアで販売するようになる。

やっぱり。
もの日を作って、これを神様とか幸運とかに結びつけるのは流行りものの常套手段。
日本全国踊らされているっちゅうわけか。
右向け右、左向け左、従わないものは仲間はずれ、という習慣はヤバイぞ。

神様はどうして毎年違う方向から幸運をもたらすのか?

歳徳神はしばしば暦の最初のページに美しい姫神として描かれるそうで、その実体は須佐之男神の妃・櫛稲田姫であるともいわれれているそうな。
歳徳神はその年の十干により4つの方位を巡行し、この方位はその年1年の開運の方角であり、正月にその年の恵方に当たる寺社に参拝するといいそうな。

甲己 甲の方位(東微北) 1994 1999 2004 2009
乙庚 庚の方位(西微南) 1995 2000 2005 2010
丙辛 丙の方位(南微東) 1996 2001 2006 2011
丁壬 壬の方位(北微西) 1997 2002 2007 2012
戊癸 丙の方位     1998 2003 2008 2013

ということで、今年は南南東だそうな。
にわか信心しても効果のほどは定かではないが、踊るアホウに喰うアホウをこのさい実践してみた。

画像の表示アゴが外れるぅぅぅ。

この太い巻き寿司を無言で食べなきゃいけないってのは、かなりしんどいぞ。
オヤジはゲホゲホとむせて、三本ほどがんばっだが、ギブアップした。
無心で食べたのに、願い事をするのを忘れてしまった。
こんなしんどい習慣はもう結構だ。
落ち着いて寿司を食わせてくれぃ。
しかも、ラベルに保存料・着色料なしと書いてあるのに、PH調整剤、グリシン、カロチノイド、コチニール、ソルビット、乳化剤等々、添加物ギッシリの健康食品とは恐れ入った。
おまけにオヤジが好んで食べない、干瓢とデンブまで入った甘酸っぱい味付けだ。
来年まで巻き寿司は見なくてもいいよ、ゲップ。

関西人がタフなわけだ。
きんなキッツイ習慣を守ってきたのだから。
よーし、来年はこれを逆手に取って、お好み好きの関西人向けに「恵方焼」を作って販売しようか。

口直しに焼酎のお湯割りをたっぷり飲む。
つまみは寿司のおまけについていた豆だ。
「福は内、鬼は外」と、口に放り込む。
神社によっては「福は内、鬼は内」だったり、「福は内」だけだったりする。
入谷の鬼子母神では「福は内、悪魔外」らしい。
うわぁ、東京蟒蛇倶楽部所属の悪魔どもは、入谷は鬼門であったか。
豆を投げつけれた悪魔は当店にいらっしゃい。
たっぷり傷口に泡盛や焼酎を擦り込んであげましょう。




13:44:40 | mogmas | | TrackBacks