March 26, 2006

桜情報-1

モグランポのある路地の2軒奥に、もうかなり咲いている桜がある。
近頃はカメラを持って路地裏散策をしている人が結構いるので、この路地裏の桜を見逃さずにシャッターを切っている「カメラマン」の姿を何人も見かける。

数年前はこの桜は花の付きがあまりよくなかった。
というのは、野良猫が多い時には20匹以上も徘徊していて、桜の根元にせっせとオシッコを引っかけ、あたりはなんとなく臭かったのだ。
午後になると決まってこの野良猫どもにエサをやりにくるババアがいて、猫どもはどこからともなく集まってきて群れをなした。
モグランボの入り口が開いていると、目を光らせた猫がスキを伺うようにじっと見つめていたものだ。
きっと鰹節の匂いを嗅ぎ付けたのだろう。
掃除をしている時に何度か店に入られたが、そんなときは箒でひっぱたいて追い出した。
動物虐待というなかれ、埃だらけの薄汚い野良猫はエイズだといも言われていて、目がつぶれていたり、足を引きずっていたりと、悲惨なことこのうえなかった。
増えすぎた野良猫に困った近所の人たちは、保健所や役所に相談したり、生活保護を受けているという猫ババアに直接文句をいいに行ったりしたのだ。
飲食店だからと担ぎだされたオヤジは、ババアと直談判したが、聞く耳も持たず、因業な顔つきで睨みつけられ、怒鳴られた。

そうして、なす術もなく数年が過ぎた。
しかし、ババアも寄る年波に逆らえなくなったのか、めっきり姿を見かけなくなり、猫の大群もしだいにその数が減っていった。
自然淘汰か、誰かが何かをしたのかは不明だが、すっかりおとなしくなった野良猫は、ときおりオヤジの顔を恨めし気に見つめるだけで、店に入ってくることはなくなった。
やがて桜の木は勢いを取り戻したのだ。

画像の表示桜に歴史有り。
この桜を「ネコション桜」という。

柳原の「田中屋商店」さんの前の桜は、やはりこの界隈で一番見応えがある。
大踏切から土手までの間で、最も花をつけていた。
咲くのが早ければ散るのも早いということだが、4月の2週目までは持つだろう。

画像の表示お酒が大好きな「一杯桜」である。

10:02:00 | mogmas | | TrackBacks