March 30, 2006

逮捕者続出!東京蟒蛇倶楽部壊滅?

でいすい【泥酔】
正体を失うほど酒に酔うこと。
めいてい【酩酊】
ひどく酒に酔うこと。
ふかざけ【深酒】
度を過して酒を飲むこと。


その店は、しばらく前から捜査対象として取り上げられていた。
潜入執行官を送り込む前段階として、店の周囲の状況、入退店する客のチェック、経営者の身辺調査など、抜かりなく準備が進められていた。
その店が捜査対象となったのは、1本の電話がきっかけだった。
「このままでは、妻が壊れてしまう・・・」
店の近所に住む、40代の男性からの悲痛な通報だった。
担当の警察官が男性から詳しい事情を聞いたところによると、酒が大好きな妻は、夫の仕事が終わるのを見計らい、毎晩のように飲食店に出かけ、大量の酒を摂取し、自分では歩けないほど酔い、記憶を無くすこともしばしばだった。
夫は毎晩泥酔した妻を介抱し、罵倒の言葉を浴びせられるのが常で、最近ますますそれがエスカレートしたとのことだった。
なかでも北千住にある行きつけの店Mでは、夜毎怪し気な飲み会が繰り広げられ、泥酔者が続出しているとの確かな情報を得て、潜入執行官を送り込む手はずになった。
通報者の男性には定期的に店の様子を知らせてもらうようにしていたが、度々席を外し、コンビニに行くと言って店を出る男性の態度が怪しまれだしたので、予定より早く潜入執行官が派遣された。

以下は潜入した執行官の証言である。
「私が店に入ったときには、すでに酩酊者が何人もいて、通報した男性の妻は、中でも泥酔に近い状態で、ニャーとか、ガーという意味不意の言葉を連発し、手の付けられない状態でした。
他にも、イナバウアーを勝手に行い、後頭部を床に打ち付ける中年男性や、唾をやたらに飛ばす若者や、聞くに耐えない関西弁の男性、ニコニコしながら酒を注ぎ、言動を煽る女性などがいて、収拾のつかない有様でした。
店の店主は自ら酒を呷り、その状況を助長していました。
私は頃合いを見計らい、身分を明かし、速やかに事態を収拾しようと尽くしましたが、力及ばす、並みいる泥酔者に弄ばれてしまいました。
その際通報者の男性は、関わりを避けるようにスチャラカな態度を決め込み、逆に私に酒を飲ませたのです。
増援部隊の到着がもう少し遅れていたら、私もその場にいた泥酔者と同じような蟒蛇になっていたかもしれません・・・」

この夜摘発された泥酔者の半数は留置され、あとの半数には重い罰金が科せられた。

東京都アルコール飲料委員会の職員が警視庁警察官の身分を持ち、泥酔者摘発制度が導入されてから、半年間の摘発者は約3500人に及び、今回のM店で行われていた「東京蟒蛇倶楽部」というような泥酔者の反体制組織の壊滅に、委員会は全力を挙げて取り組むと宣言している。

アメリカ・テキサス州では、州アルコール飲料委員会が、州警察官の身分を持つ「潜入執行官」をバーなどに派遣して、飲み過ぎを摘発する制度が本当にあるのだそうな。
未成年飲酒や酒の無許可販売、飲酒運転を取り締まるために2001年に導入されたそうな。
州法では、公の場での泥酔は軽犯罪にあたり、罰金や留置されたりするそうな。
泥酔して本人や他人に危険が及ぶ可能性があると判断すれば、潜入執行官が接触して摘発するのだそうな。

アメリカって、やっぱり病んでるね。
カウボーイはつらいよ、せつないよ。
テキサス砂漠の「パリ」では、今日もトラビスが泣いている。
ヴィム・ベンダースも泥酔したりするのだろうか?

ともあれ、日本はまだまだ平和。
東京蟒蛇倶楽部には、たやすく泥酔して他人様に迷惑かけてしまうような人は1人もいません。
いないと思う・・・。
いないと信じたい・・・。
いないんじゃないかな・・・。

なんか、文句あっか!!

09:32:00 | mogmas | | TrackBacks