April 25, 2006

セリーナはアリスだった?

ヴァンパイアで凄腕の狼男ハンターの美女「セリーナ」は、今から8年前は、鏡の国をさまよう7歳半の「アリス」だったのである。
その後いろいろあって、「パール・ハーバー」で憎いジャップと戦争する羽目になり、戦後「アンダーワールド」でヴァンパイアとして目覚め、「ヴァン・ヘルシンク」も狼男だと知り愕然として彼の前を去り、「ハワード・ヒューズ」と浮き名を流し、再び狼男キラーとして帰って来たのだ。

しかし、フリフリのフレアースカートにエプロン姿で、ブリブリいわせながら鏡の国を探検していた彼女は、どう見ても7歳半には見えない。
現実世界で「ケイト・ベッキンセール」として生を受けたのが1973年だから、ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」を原作にした「アナザーワールド」でブリッコしていたときは25歳だ。
さすがに「セリーナ」のときとは別人。

画像の表示amazonなどではDVDがお買い得の最大22%OFFだって。まさにベッキン“セール”ですな。

ある日TUTAYAさんのSF・ホラー・スプラッターのコーナーで、いわゆるB級といわれる掘り出し物を探していて偶然見つけたのがこの作品だ。
イギリスのテレビ映画として作られたようだが、出演している役者さんたちはそうそうたるものだ。
とぼけた「白の王様」には、シアター・オブ・コメディの創設者「ジェフリー・パーマー」。
「イアン・ホルム」は「エリアン」のアッシュとは比べ物にならないほど愚鈍な「白の騎士」を演じている。
「ハンプティ・ダンプティ」役の「デズモンド・バリット」はピッタリのはまり役だと思う。
他にも英国の舞台・映画・テレビなどでおなじみのベテラン役者たちが脇を固めている。

かといって、この作品がすばらしいというわけではない。
比喩、隠喩のちりばめられたセリフは、英語では面白いのだろうが、日本語に訳すと何のこっちゃかわからない。
こんな時つくづくフランス生まれじゃなく、英国で生まれるべきだったと思うのである。
何のこっちゃかとまどうセリフの応酬と、アリス=ベッキンセールの中途半端なブリブリに、いつしかまぶたは重く垂れ下がってくる。
けっして真剣にご観賞しなくてもいい類いの作品は、そんなときは一時中断出来る。
DVDのパツケージやディスクには、
「パール・ハーバー」「アンダーワールド」
ケイト・ベッキンセールin
アナザーワールド
鏡の国のアリス

とご丁寧に表示してある。
パッと見ただけではこれがケイトちゃんだとは気づかないからだろう。
彼女がブレークしたので急遽プレスしたという感じだ。
けれども彼女のファンは、これも通過儀礼だと思って楽しむのがよいでしょう。

無数のビデオ、DVDの中からB級作品をを発掘するのは楽しい。
ついでにあと3本借りてしまったので、当分B級ナイトが続くのである。
当然、朝が辛いのだ。

11:41:12 | mogmas | | TrackBacks