April 08, 2006

思い出の映画館

今年に入ってまだ映画館へは1度しか足を運んでいない。
1月に観た「男たちの大和」のたった1本だけで、すでにもう4月。
このままでは「悪魔のあっくん」に何を言われるかわかったもんじゃない。
久しぶりに丸まる1日自由に使える水曜日、少なくとも1本は映画を見ようと心に決め、刈り魔王に散髪してもらった頭を風に晒し、上野の街を歩き回った。

最近まったく映画の情報から遠ざかってしまい、現在どんな映画が上映されているのかもよくわからない。
しかし、たいていどの映画館でも上映時間は大きくずれることはないので、だいたいの時間を目安に、心当たりを回ってみることにした。

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雨の不忍池と上野の山の桜

上野公園の外れ、東京国立博物館の敷地内に「一角座」という仮説の映画館ができていて、花村萬月の芥川賞受賞作を原作にした「ゲルマニウムの夜」という映画が上映されているのは知っていた。
制作の荒戸源次郎という人は、26年前にドーム型移動映画館「シネマ・プラセット」で自主上映された鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」を製作したプロデューサーだ。
今ではこの映画はCULT的なジャンルに入るのかもしれないが、20代はじめの若造が観た時も、全編を覆う“妖気”“殺気”“色気”の怪しい緊張感にぶちのめされ、2時間を超す長尺をまんじりともせずスクリーンに見入ったものだ。

鈴木清順監督はこの作品で復活し、たしか第1回目の日本アカデミー賞を受賞したと記憶している。
テレビ局主催のこの授賞式の壇上で、清順監督は「賞よりも、もっと映画を撮れる環境を作ってほしい」というようなことを淡々と述べた。
当時の映画浪人たちはこの言葉に喝采したのではなかろうか。

そんな思い出のある映画館だから、原点回帰のようなものを感じて足を向けたのだった。
しかし、オヤジは甘かった。
上映時間は1時間もずれていて、おまけに雨は強くなり、すごすごとその場を離れたのである。
携帯やらネットやら、便利なものがあるのにそれを活用せず、歩き回ることしかない能無しオヤジだ。
すると、もはやこの日観る映画は“アレ”しかない。
今度は劇場も時間もわかっている。
「一角座」へ行く途中立ち寄ってチェックしておいたのだ。
よおし、時間に余裕があるうちに行って待っていよう。

次回は映画「SPIRIT」のお話でござい。



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謝謝、来来、哈爾賓餃子

またしても、8年越しくらいで気になっていたお店に入った。
京成堀切菖蒲園駅から徒歩2分ぐらいのところにある、中国本場手作りの味「哈爾賓餃子(ハルピンギョウザ)」だ。
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店内はカウンターに椅子が五脚、でも横浜のふとっちょくんが5人座ったら肩を寄せ合うようにして食べなくてはならないほど狭い。
どちらかというと、テイクアウトが主なのかもしれない。
中国なまりのある母娘?で切り盛りしていたが、開店して8年目だそうだ。
中国では焼き餃子より水餃子の方が一般的なので、この店も水餃子の種類がいくつかある。
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隣りのおじさんが食べていた小龍包がうまそうだったが、あえて焼き餃子と味噌ラーメンなどという日本的なオーダーをしてしまった。
「太肉麺」とか「豚足麺」というそそるラーメンもあったのに・・・。
味噌ラーメンはお世辞にもうまいとはいえないが、けっして不味いわけではない。
のっかっているチャーシューは香辛料(たぶん五香粉)が効いていて、日本の中華屋さんのそれとはちょっと違う。
たまに自宅でチャーシューを作るとき、五香粉を効かせすぎるとかあちゃんは食べられない。
でもこの店ぐらいの香りならいいかもしれない。

餃子はわりと大きめで、一口齧ると肉汁が溢れてくるほどジューシーだ。
画像の表示いかにも手作りといった味わいの、家庭的な餃子。
味は好みの問題だし、パカパカ数を食べるという感じではない
が、これが中国の素朴な味なのかもしれない。

おっと、隣りのおじさんは小龍包を食べ終わり、水餃子とラーメンを食べ始めた。
うーん、やるじゃないか、見知らぬ親父め。
つまみもずいぶんあって、アルコールもそこそこあるので、夜はここで一杯やるおなじみさんがいるのだろう。
「腸詰め」とビールに心を動かされたが、我慢我慢。
またそのうち来ることもあろう。
テイクアウトで餃子と焼売を買って店を出た。
なかなか水餃子もうまそうだ。


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