June 20, 2006

さらば愛車!!

そのへんの暴走族も眉をひそめるような騒々しいエンジン音を響かせて、中古のシトロエンに乗った「横浜のふとっちょくん」が千住にやって来た。
コインパーキングに車を停めて店に現れた彼のいでたちは、ゴルフクラブ1本担いで土手へ行くおとっつぁんのようなお気楽な格好だった。
彼が居並ぶ「蟒蛇」たちに翻弄され、朝まで付き合ったことは、前回のブログで述べた通りであります。
しかし彼の真の目的は、およそ20年余り眠っている(放っぽらかしていた)オヤジの遺産を受けとることだ。

午前5時前には家に着き、とうとう我が家の布団に倒れ込んだ「横浜のふとっちょくん」とともに一眠り。
起き抜けにシャワーとコーヒーで生き返った我々は、雨の中眠れる遺産の元へ向かった。
あらかじめ実家の倉庫から汗だくになって発掘した段ボール箱は、埃をかぶって8箱あった。
近所に停めたシトロエンのラゲッジスペースは、余裕で荷物を積める広さだが、段ボール箱のすべてが使えるものではないので、まずは箱の中身をチェックして、使えるものとガラクタを選り分ける。

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大事なものはそれなりにグリスアップして袋に入れてあるが、どうでもいいものは油まみれで汚れている。
いずれにしてもオヤジには思いで深いパーツたちだ。

画像の表示セミオーダーのフレーム。
はたして「ふとっちょくん」の重みと、足の長さに耐えられるのか?
北海道、東北、新潟、長野、伊豆、房総と東日本を走り抜き、峠道で喘ぎ、雨に泣き、野宿の寂しさを共に味わった、頼もしきヤツ。
グラン・ツーリスモと呼んでもいい「ランドナー」だった。
しかしそれも過去のこと、いざ手放すとなると感傷的になるが、過去の遺物となるよりは、現役続投させてくれるならそのほうがいい。
愛車よ、横浜の地で可愛がってもらうのだぞ。

画像の表示今では知る人も少ない、手動のフロント・ディレイラーなんて珍品もあった。

現在のマウンテンバイクの規格とは違っているかもしれないが、由緒正しきイギリスとフランスの規格は失われることはないだろう。
シコシコ組上げて、かつての勇姿を甦らせてほしい。
我が子を嫁に出す心境のオヤジは、ガフガフ喘ぐエンジン音を残し去ってゆくシトロエンを見送り、そのゆく末を案じるのであった。

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信州の峠を攻める、在りし日の愛車。


09:58:00 | mogmas | | TrackBacks