July 23, 2006

人工筋肉「ソルボ」

  
表参道にある森英恵ビルの搬入口は狭く,2tロングのトラックを混雑する中バックで入れるにはなかなか注意が必要だ。
エレベーター・ホールは次々と搬出される資材でごったがえしており、作業する全員が汗だくで、次に控えているイベントの時間が押しているので、誰もがちょっと殺気立っていた。

オレはフッションショーが行われたイベントホールのフロアで、アルバイトに指示を出しながら,ステージの解体に追われていた。
折りたたみのポータブル・ステージを脇にどけ、パンチカーペットを剥がし、平台と箱馬をエレベーター前に集めて、手渡しでどんどんエレベーターの中へ押し込んでゆく。
ステージ金物を縛ってまとめ,ゴミを集め、あらかた室内が片付いたところでアクシデントが起きた。
ちょっとした気の緩みとタイミングの悪さが事故を誘うのだ。
キャスターの付いたポータブルステージは、ラクに移動が出来るが重量もあり安定性がわるい。
所定の場所に収納する作業をしていたアルバイトが、落ちついてやればいいものを、急いで転がしたために引っくり返しそうになり、あわてて押さえようとしたが間に合わず、そのまま横倒しになってしまった。
運悪くというか、反射神経が鈍いというか、ステージが倒れた下には、オレの左足の指があった。
鋭い痛みが脳天まで突き上げ、なんとか足をどけてはみたものの、その場にうずくまってしまった。
涙がチョチョ切れるというのはこのことか、顔からは血の気が引き,冷や汗が全身を濡らした。
死にそうな思いで靴から足を引き抜くと、靴下の先は血で染まり,ドクドクと脈打つ痛みと悪寒が這い上がってきた。
もはや作業を継続できる状態ではなく、仕事仲間には申し訳なかったが戦線離脱させてもらうことにし、オレはタクシーで家の近くの病院へ急行した。

貧血をおこしそうになりながら治療を受けたが、左足の薬指の先が骨折しており、4針ほど縫った。
それから20数年が経ち、薬指の縫い目には硬く皮膚が盛上がり,指は若干内側に曲がっているようで、爪が巻き爪のように丸まって伸びてしまう。
数年前から、縫い目の周囲の皮膚が魚の目のように硬くなってしまい痛くて歩きにくくなり、時々ナイフで削ってバンドエイドを巻いていたが,2週間も経つと元のように皮膚が硬くなり、その度にナイフでそげ落としては削りすぎて血を流すこともしばしばだった。
医者に相談したが、常に指の下にクッションをしいて、硬くならないようにするしかないということで、バンドエイドを二重、三重にも巻いたり,シリコンの指サックをしたりといろいろやってみたが、どれも2週間ほどしか保たず,なにかもっといいモノはないものかと悩んでいた。

ある日東急ハンズをうろついていたら、フットケアのコーナーでいいものを見つけた。

バンドエイドのようなパッケージに、「こんな保護パッドが欲しかった !
痛みを吸収する

ソルボバン
」とある。

痛みを吸収する秘密は
人工筋肉「ソルボ」
だそうだ。

ソルボ ? 人工筋肉 ?
なんだか「メカ生体ゾイド」みたいじゃないか。
この歳になって「ゾイド」のオモチャは買う気にならないが、「ソルボ」は買ってしまうのだ。

調べてみたら,『イギリスの医療分野から生まれた「ソルボ」(ポリウレタン)はその驚異的な衝撃吸収力と圧力分散性能を実現する人工筋肉として、医療の現場で高く評価され、今やメディカルからインダストリー分野まで幅広く使用されている』のだそうな。
そんなすぐれものをバンドエイドのようなテープと組み合わせたのが「ソルボバン」だ。

早速試してはや3週間、快適である。
しかし暑い時期でもあるし、このままにしても衛生面でいかがなもんかと、一度剥がして様子を見たが,全然平気であった。
これはいいものを仕入れた。
2.5センチ×7.2センチのパッド10枚入りで380円。
これで足指削りから解放されるなら安いもんである。

オヤジはこの製造メーカーから一銭も貰ってないが、細々ながら宣伝しちゃおう。
ウオノメ、タコ、靴ズレでお悩みの方に絶対おすすめ!!
自由にカットできるフリーシートタイプだとか、いろいろあるみたいだから,自分にあったものを探してみるといいんじゃないかな。
「ゾイド」もいいが、まず「ソルボ」でなんとかしてからね。
                            〜チャン,チャン。


10:40:00 | mogmas | | TrackBacks