July 04, 2006

カメ男の夢

  
月曜日は床屋さんが休み。
というわけで、口開け早々「バーバーくん」がやって来た。
8時過ぎまでヒマヒマちゃんで、彼はオヤジをつまみにチビリチビリ、オヤジは彼をつまみに、しょうがないから一杯。
と、そこへなぜか「ヒトリモン」先生が登場。
週末ドランカーの禁を破り、月曜からカッ飛ばすつもりかぁ?
実は今夜は、沖縄のマンゴーを持って来てくれただけなのだが、「バーバーくん」がいて、一杯も付き合わないで帰るわけにはいかないでしょう。

しかし週末、仕事帰りに「バーバーくん」が来た時には、きまってすっかり出来上がっている「ヒトリモン」、今夜は立場が逆転だ。
「バーバーくん」はもうすでにアンパンマンに変身する前で、声のデカイ昭和の酔っぱらいになって、「素面の先生に会うの、久しぶりだなぁ!」と満面の笑み。
そこで話は泡盛の古酒を育てる計画になるのである。

「ヒトリモン」先生もオヤジも、今年でとうとうシジュウクサイ大親爺になり、「バーバーくん」は独り立ちする準備に入るので、それを期に三升か五升の堂々たるカメに、古酒をたたえて毎年愛でようじゃないかという話になっていた。
10年、20年と毎年仕次ぎして、再会を祝し、酒も人も練れていく様子を語ろうじゃないかと、大人のロマンを約したのだが、未だどの酒蔵のどの銘柄にするかは決まっていない。
その決まっていない時点で、「どうせ二人は先に死んじゃうんだから、残った古酒は全部おれに譲るって一筆書いておいてくださいね」と、小癪な「刈り魔王」は言うのである。
話はいつもそのあたりで停滞しているのだ。

さすがの「ヒトリモン」も月曜日はおとなしく、明日もあるからとしっかりした足取りで帰っていき、「バーバーくん」は他でお座敷がかかり、二人連れ立って帰って行った。

内部にアルコール消毒をするおかげか、オヤジのあばらの痛みは日に日によくなっているようだが、前を無意識にかばっているせいで、背中が凝ってしょうがない。
風呂上がりに前後に湿布を貼ったら、スゥ〜ッと痛みが和らぎ、とたんに眠気が襲ってきた。
それでおとなしく布団に入り、爆睡した。

明け方、頭からすっぽり泡盛のカメをかぶった男が3人、両手を前にだらんと出して、左右に揺れながら迫ってきた。
月明かりが窓から煌煌と射し、蒼白いシルエットとなってそいつらはオヤジの枕元を取り囲んだ。
何が始まるのかと呆然と見上げていると、互いの頭をぶつけだした。
ガツン、ガツンとカメが当たるたびに、割れた破片がパラパラと落ちてくる。
カメの割れ目からは透明な液体がほとばしり、ビショビショで目も開けていられない。
泡盛だ!! 泡盛地獄だ!!
部屋の中は泡盛であふれかえり、息もできない。
溺れる〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!

寝汗と涎を垂れ流し、目覚めた時は11時半。
身体が麻痺してしばらく動けなかったが、あばらの痛みでようやくノソノソ起き上がれた。
なにはともあれ、起き抜けのぼんやりした頭で、この出来事を記録している。
みなさん、飲み過ぎにはくれぐれもご注意を。



14:32:44 | mogmas | | TrackBacks