July 08, 2006

レスキューかあちゃん

   
店の仕込が終わって、かあちゃんは一足先に出た。
オヤジはバイクで、寄り道せずに家へ戻った。
昼飯の都合もあるのに、一向にかあちゃんは戻ってこない。
どうせまたどこかで油を売っているのだろうと、あてにせずにいたら、汗を拭き拭き戻ってきた。
「駅前で人が倒れていたので、救急車が来るまで帰れなかった」とのこと。
そして一枚のカードを見せた。
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以下、かあちゃんの供述による。
「店を出て宝くじ売り場の前まで来ると、ペデストリアンデッキの下に人が倒れているのが確認できました。
近寄ると、遠巻きにして何もできずに人が見ているだけで、倒れてうずくまる40歳くらいの男性は苦しんでいました。
その状態を一目見て、わたしは『てんかん』だと思いました。
口から泡を吹いて、手足が痙攣し、目はうつろながら瞳孔が開きっぱなしで、汗を拭くためのタオルと、カバンをしっかり握りしめていました。
わたしは『小僧』のそういう状態を何度も経験しているので、躊躇なく傍らに寄り、“落ちついて、だいじょうぶ”と声をかけながら、握った手をさすり、タオルをとって額の汗を拭き、背中をさすってあげました。
救急車は誰かがもう手配したようでした。
仰向けではなく、横向きに倒れたことが幸いで、しばらくそうして背中をさすって、汗をぬぐってあげていると、少しずつ硬直がほぐれてくるのを感じました。
やがて救急車が到着し、救急隊員がテキパキと処理してくれたのでホッとしました」

救急隊員に状況を訊かれたかあちゃんだが、来る前に倒れていたので、どうやって倒れたかはわからない。
その時それを見ていたのは、ビラ配りをしていた「マック」のお姉さんだ。
しかし、目の前で人が倒れて泡を吹いたことに動転して、彼女は泣き出してしまったらしく、かあちゃんはその娘もなだめて、話ができるようにしてやったという。
救急車に乗せられる男性を見送り、救急隊員の1人から件のカードを手渡されたということだ。
そして、名前を訊かれるが「べつに名乗るほどのモンじゃござんせん。そいじゃ、どちらさんもごめんなすって」と、三度笠をひるがえし、颯爽と立ち去ったのだ。

うーん、アッパレな行い、ほめてつかわす。
腹がへったであろう、たんと食べるがよい。
と言われなくても、自分で作った昼飯を、ご飯をおかわりして平らげるかあちゃんであった。
「勇気ある行動に心から感謝いたします。   by キュータ」

でも、東京消防庁のマスコットの「キュータ」くんは、よく見ると女の子に見えるんですけど。
ヘルメットのツノかアンテナみたいなのは、「マグマ大使」のぱくりだよねぇ。

14:28:02 | mogmas | | TrackBacks