December 14, 2007

博多・天神、中州食べ歩記・その1

  
今回熊本・天草のついでに、どうしても博多に立ち寄りたかったのは、新生モグランポにとってとても勉強になると思ったからだ。
特に天神、中州は西日本最大規模の歓楽街であるとともに、モツ鍋、一口餃子、博多・長浜ラーメン、焼ラーメンなどの発祥地で、“なんでもあり”の屋台には、意外に鉄板焼、お好み焼を扱っているところが多いと聞いていたせいもある。

天草エアラインで思いもかけずに午前中に博多に降り立った我々一行は(といってもかあちゃんと小憎の3人であるが)、迷わず中心地である天神へ向かった。
計画ではかなりあちこちへ移動する予定だから、地下鉄の一日乗り放題チケットを購入、うれしくてしょうがない電車好きの小憎のニタニタ笑いとともに、まずは腹ごしらえの一発目。

西鉄福岡(天神)駅前を通り過ぎ、きらめき通りを大名の方へ向かい、オヤジの嗅覚の赴くままに歩いて、その店を発見。

画像の表示博多ラーメンを全国に知らしめた総本山「博多一風堂 大名本店」

ちょうど昼時で店の前には列ができ、店内では若いベッピンさんの娘たちが麺をすすっている姿が見える。
博多美人が多かばい、うれしかばい。

並んでいる間に注文をとって、席に着いたら待つ間もなくラーメンが出てきた。
赤丸と白丸という味の違うラーメンに、ランチタイムサービスのご飯と一口餃子のセット。
まずはなにも足さずにスープを飲む。
オヤジのたのんだ赤丸は濃厚で、ちょっと塩っからい。
高菜や紅ショウガを入れたら、ノドが渇くほど味が濃くなってしまった。
麺は中太のちぢれで、量はさほど多くない。
かあちゃんの白丸はややあっさりだが、その分塩っからさが先にたってしまって、酢でも入れなきゃスープを全部は飲み干せやしない。
博多娘は塩っからさに耐性があるのか、いや、でもよく見りゃみんなスープを飲み干している娘はいない。
「一風堂」はカップラーメンしか食べたことがなかったが、カップラーメンよりはマシという程度で、期待はずれ。
味は好みだが、なぜにこの店がこんなに流行るのか、わからん。
餃子とチャーシューはまあ旨かった。

う〜ん、すっきりしないまま中途半端な腹持ちで、次なる目的地を目指す。
地下鉄赤坂駅下車。
赤坂と言ってもTBSも離宮もあるわけない。
そんなのかんけーない。

大正通りを港へ向かって直進、昭和通りを突っ切り(ちなみに明治通りもある)、中央卸売市場の前を左折して長浜2丁目まで、やや腹ごなしの道のりでやって来ました。

画像の表示昭和29年創業のこの面構え「元祖長浜屋」

がらっと戸を開けて空いてる丸テーブルに相席、一言も発せずともすでに注文は通っている。
それもそのはず、この店のメニューはラーメンと替玉のみだ。
なにか要望があるならば、「なま」「かた」「やわ」のどれかを言えばいい。
何も言わなきゃ「並」が出る。
ここじゃ「ばりかた」なんて言わない。
「なま」だ。
替玉するときは「なま玉」の一言。
潔くって気持ちよか。

テーブルの上にはでっかいやかんとちっちゃいやかん、大ザルの中に入ったプラスチックの湯のみ、箸立て、紅ショウガ、ゴマの以上がのっていて、飲みたきゃ勝手に湯のみをとって、でっかいやかんからお茶を注げばいい。
ちっちゃいやかんにはタレが入っていて、替玉してスープが薄まったらそれを入れる。
待つほどのこともなく、元祖長浜ラーメンがトンと置かれた。

画像の表示半世紀の歴史、一杯400円 !

一口スープをすすれば納得、これは旨い。
コクのある豚骨スープに臭みはなく、あっさりといってもいいくらいでくどくない。
ゴマと紅ショウガは必需品だ。
やや細のストレート麺もノド越しがよく、2杯目のラーメンでも抵抗なく入るが、こちらは港の労働者を相手とする伝統の一杯だ。
麺の量はいささか多い。
地元の人が「ヘタに替玉するとパンパンになっちゃうよ」というくらい、働く男にはうれしい良心的な店だ。
看板には替玉50円と書かれていたが、つい先日値上げして100円になったようだ。
それでも充分安い。
ひっきりなしに客が入っては出てゆく。
いずれも仕事をしている男達だ。

「ああ、こっちが一軒目だったらよかった・・・」
目は食べたいのに腹が言うことを聞かないかあちゃんが、半分を残してギブアップ。
ウム、あとはオヤジにまかせなさい。
ワシはかつて札幌で、一晩で6杯のラーメンを完食した男であるぞ。
年をとっても、たかだか2杯半のラーメンでまいるようなことはないのだ。

画像の表示この後、汁まで飲んでパンパカパンになってしまうのである。

博多ラーメンの王道、豚骨ラーメン対決は断然「元祖長浜屋」の勝利だ。
店の構えはあか抜けなくて、何の飾りもないけれど、ちゃらちゃらしたラーメンブームなにするものぞ、老舗のラーメンは昔と変わらず、客やマスコミなんぞに媚びた味ではない。
例えてみると、流行で食べるものと、生活の一部として存在するものとの違いか。
おそらく、この後何軒か有名どころを回ってみたとしても、そういう違いは歴然としているのだと思い、これ以上ラーメンに突っ走るのはやめにした。

この夜、さらに食べ歩きを続けなければならないので、せっせと歩いて福岡城や大濠公園を散策、早めに宿にチェックインして胃を休めることにした。

・・・・・・・・・・・・・・・・ つづく



17:47:54 | mogmas | | TrackBacks