December 18, 2007

博多・天神、中州食べ歩記・その3


天神の地下街から地上に出てみると、あいにくの雨、しかも傘はなし。
見渡すと、昭和通りの交差点の所に「ユニクロ」の看板が見えた。
こんなとき便利な「ユニクロ」。
ただちに折りたたみ傘を2本買い、昭和通りを「親富孝通り」の方へ歩く。

かつては予備校生がたくさんこの道を通っていたことから「親不孝通り」と呼ばれていたが、正しくは「天神よろず町通り」というらしい。
今は予備校がなくなって、その代わりにクラブ、スナック、風俗、居酒屋、ライブハウスなどが密集して、深夜でも消えない店の明かりを求めて若者が集まってくるので、これまた「親不孝」なことかもしれない。

さて今夜の一軒目は、どのガイドブックにも載っている「焼きラーメン」発祥の屋台「小金ちゃん」。

博多屋台 小金ちゃん2
博多屋台 小金ちゃん2 posted by (C)084-jan

交差点の角の歩道にでで〜んと構えるその屋台に入るには、並ぶのを覚悟した方がいいなどとネットでも書かれていたが、うまい具合に月曜日の夜でしかも雨。
すんなりいい席に座れて、焼くところも、麺やスープを仕込むところもしげしげと観察できた。

焼きラーメン調理中
焼きラーメン調理中 posted by (C)084-jan

どうだろう、このシズル感は。
でも焼いているのは親父ではなく、たぶん娘さんの旦那かな ?
気さくな店の人と会話して、かあちゃんが熊本県人だということもあって、たまたまいた30年来の常連さんというオジさんにも話しを聞けた。

それによると、今を遡ること30数年前、手っ取り早く食べたいというお客の要望に応えて誕生した「焼きラーメン」ではあるが、そのオジさんには甚だ評判が悪く、
「なんね、こげんとは。ただの焼きそばじゃろ」
みたいな感じで、最初に口をつけただけで食べなかったんだそうな。
なるほど、そういやメニューの脇に「焼きラーメン」(焼きそば)と書いてある。
でもそれから転勤、定年退職を向かえた現在、「なんね」の「焼きラーメン」は懐かしい思い出の味となり、奥さんと仲良くすする一品になったのであった。

元祖焼ラーメン
元祖焼ラーメン posted by (C)084-jan

ふーむ、麺は博多ラーメンの細麺で、ところどころ豚骨スープ的な味もあるが、最後にかけた液体は確かにソースで、全体的にはそのソースの味が勝ってしまって、まさに「焼きそば」である。
なるほど、なるほど、なるほど、でもこれはどうよ・・・・。

だが、発想の転換は素晴らしく、「これが正解」というものはないのだし、他に与えた影響は大きい。
しかもこの屋台のすごいところは、鉄板で麺や肉やメシも焼くが、もちろん普通のラーメンもあり、おでんやモツ鍋などそれこそなんでもあって、屋台というハンデなどものともしない手際の良さとコミュニケーションの妙は、とっても頭が下がります。
ここまで来て現場を見られたのだから、授業料としてはけっして高くないと思う。

やるな、「小金丸」のおやっさん !

小金ちゃんの親父
小金ちゃんの親父 posted by (C)084-jan

なぜ「小金ちゃん」かっていうと、親父の名字が「小金丸」というすばらしい名前だからだって。

ビールを3本(うれしいことにラガー)飲んで、そこそこ食べて、3人でしめて4,200円也。
次行きましょ、次。


2軒目。
「小金ちゃん」を出てすぐ背中合わせみたいにあるのが、「とん平焼」が名物という屋台「鬼多郎」。
ここも3人並んで、屋台の車輪の上あたりの席に座れた。
さっそく名物という「とん平焼」と「ネギ焼」をオーダー。
もちろんここにも「焼きラーメン」はあるのだが、胃袋のキャパシティを考えて控えた。
「とん平焼」は厚手のロース肉を焼いて生地と卵、すりおろした山芋を合わせた、まあ、お好み焼だ。
ボリュームのあるそいつを食べながら、目の前で焼かれている「ネギ焼」を待つ。

博多屋台 鬼多郎
博多屋台 鬼多郎 posted by (C)084-jan

食べてみて、わかった。
以上。

ビールを2本(うれしいことにラガー)飲んで、そこそこ食べて、3人でしめて2,800円也。

タンクは満タン。
向かいのホテルのトイレを使わせてもらう。
次行きましょ、次。

3軒目。
西鉄福岡(天神)駅に向かって、電飾の施された「きらめき通り」を三越前のバスセンターの方へ進む。
ほんとに駅前にならぶ屋台。

博多屋台 なかちゃん
博多屋台 なかちゃん posted by (C)084-jan

自称「博多一」のメニュー数を誇る屋台「なかちゃん」。
この立地なだけにちょっと待たされて、オーダだけ先にとられた。
17歳の時の「ユカちゃん」にどことなく似ているおきゃんな女の子が、やけに陽気でフレンドリーで、オヤジったら博多っ子純情 !!

博多屋台 なかちゃん2
博多屋台 なかちゃん2 posted by (C)084-jan

さすがに豊富なメニューを誇るだけに、この屋台はすごい。
なんせ2槽シンクが備え付けられ、湯沸かし器まであるのだ。
ラーメンのでかい寸胴とコールドテーブルみたいなものもある。
まったく、どんだけ〜、だ ?

調子に乗って、またまた「とん平焼」やお好み焼などたくさんたのんでしまった。
どこの屋台にも「おでん」はあり、焼酎も種類が豊富、ここなんかビールは恵比寿だ。
でもそろそろビールはいい感じで、芋焼酎のお湯割りに切り替えた。
ビールに焼酎3杯で、そこそこ食べて、3人でしめて4,200円也。
ウッ、エップ、次行きましょ、次。

腹ごなしに屋台の多い辺りを歩き回る。

屋台、屋台、屋台
屋台、屋台、屋台 posted by (C)084-jan

屋台、屋台、屋台 !
屋台、屋台、屋台 ! posted by (C)084-jan

ちょっと変わった屋台発見。

洋風屋台 ?
洋風屋台 ? posted by (C)084-jan

名前は「しずえ」とあるが、横から見たらシェフかソムリエみたいな格好をしたオジさんがひとりいただけだった。
まさかこの人が「しずえ」さん ?

横から見たら・・・
横から見たら・・・ posted by (C)084-jan


4軒目。
しょぼ降る雨の中を歩き回って、再び出発地点の中州川端に戻って来た。
宿の人から聞いた屋台「あきちゃん」を、本日の打ち止めにしようと決めていたからだ。
近くまで行くと、屋台が数件並ぶ辺りが、なにやら騒がしい。
よく見るとテレビのスタッフやロケバスがいる。
どうもローカルな番組のようだ。
なにをやってたって、そんなのかんけいない、ってことで、ここの屋台にもすんなり入れた。

そしたらまたまたありましたよ、サインやら写真が。
たくさんある中の1枚は、なんと高円宮様のお写真であります。
親父(たぶん、あきちゃん)に聞いたら、普通に焼酎飲んで食ってたとさ。
SPは外で待ってたんでしょうね。
ご苦労なこった。

またもデブヤ
またもデブヤ posted by (C)084-jan

で、石塚くんの色紙。
ほんと、どこにでも出没するねぇ。

この「あきちゃん」は肉系のものが得意みたいで、目の前にネタケースが置かれ、そこにお肉がいっぱい入っている。
取りあえず「おすすめを」と言ったら、「牛のさがりの串焼き」が3本も出て来ちゃって、後で聞いたら1本千円だって。
あちゃ〜、どんだけぇ〜、だ。
しかしもうこの時点でオヤジはごきげんちゃんの、文字通り「太っ腹」になっていたので、「よっしゃ、よっしゃ」と焼酎を飲み干し、そこそこ食べて、3人でしめてお会計は8,200円也。
なんじゃ〜い、グテグテの最後が一番高いのかーい。
でも、そんなのかんけいなーい。

かあちゃんと小僧は酒を飲まないからそれで引き上げたけれど、飲む相手がいたら朝まで行っちゃってたな。
恐ろしい、パラダイス博多・・・・・。
だが得たものは大きかった。
いつか必ずやその成果をお見せできるに違いない。

えー、今回は、遊びじゃないんですよ。
いや、ほんと。




00:14:07 | mogmas | | TrackBacks