December 02, 2007

一攫千金


世のため人のため、ローンレンジャーは賞金稼ぎに精出すのだ。

十年前にここ、新橋は烏森のとある売り場でお買い求めになった「富くじ」が、な、なんと予想だにしていなかった〇〇〇〇万円の大当たり。
オヤジの霊力をまざまざと見せつけたのだが、いかんせんその「富くじ」はかあちゃんの兄貴のためにお買い求めになったもので、残念ながらオヤジはそれで左うちわとはいかなかった。
だがそのおかげで、かあちゃんの兄貴は五十を過ぎて嫁さんをもらい、家を新築し、仕事も順調で出世もしたという、絵に描いたような幸せを得た。

せっかくなので、えー、ちょいと援助していただきたく、そ、そーですか、それでは遠慮なく、と回してもらった〇〇万円も資金の一部にして、モグランポは産声を上げたのである。

それから毎年欠かさずに新橋へ「富くじ」を買い求めにくるのだが、嗚呼、もうすでに霊力を使い果たしてしまったのか、最近は鳴かず飛ばずの落ち目の三度笠なのであった。

それでも買ってエントリーしないことには、青い鳥も鳴いてはくれないので、ギャンブルのように熱くなるわけじゃなし、本日もなけなしの銭を握りしめて、バラと連番の両刀買いだ。

烏森口に降り立ってみて、まずかあちゃんがその行列を見てめげる。
最近のかあちゃんはもっぱら「大当たりの名所・ラッキーセンター」だよりなのだが、オヤジはそんな素人さんのところでは買わない。
だからさっさと通り過ぎて、例の売り場へ直行する。
ぬほほほほぉ〜、苦しい時のくじ頼り。

…当たっても報告はしないのであしからずご了承下さい。


16:34:22 | mogmas | | TrackBacks