March 20, 2007

ろとうざくら

  
千曲市の「森」まで、伯母の四十九日の納骨のために出かけた。
元は更埴市だったこのあたりは、「杏の里」と呼ばれ、花の時期になると村全体が淡い杏の花で霞むほどで、普段は静かなところが花見客でいっぱいになったりする。
映画「砂の器」で、村の悪童どもに石を投げられ追い立てられ、お遍路姿の親子が満開の花の下を逃げるシーンがあったが、あれはこの「杏の里」だと、在りし日の伯母が言っていたのを思い出す。

叔母の家の庭に、早くも花が咲いた木があった。
やけに早く咲く杏だなと思っていたら、この木は杏の木ではなくて、「ろとうざくら」という木だと親戚に教えられた。

ロトウサクラ
ロトウサクラ posted by (C)084-janあんずの里

子供の頃からすっかり杏だと思っていたが、なんだ ? 「ろとうざくら」とは ?
路頭に迷った桜 ?
ふーん、またまた調べることができてしまった。

調べた。

魯桃桜(ろとうざくら) 
品種的にはノモモやハヤザキモモに属し、信州の春をいちはやく告げる花、として知られる。
咲き始めの頃は白く、咲き終わり頃にはほんのり桃色になるらしい。
ノモモやハヤザキモモの原産地は旧満州ともシベリアとも伝えられるが、正確には不明だ。
日露戦争の凱旋記念に苗木が日本に持ち込まれ、佐久市桜井尋常高等小学校に植えられたという逸話が残されている。
昭和8年に県立長野図書館に植えられて以来、春真っ先に花を咲かせる「サクラ」として県下に広く定着し、昭和30年代からは接木や実生で苗木の増殖が積極的に行われるようになったとのこと。
            (以上、長野県林業総合センター・ミニ技術情報による)

なるほどね。
桜かと思えば、杏だったり、杏だと思えば桃だったり、百花繚乱、いろいろあらーな。
「えー、3番テーブル。アンズさん、モモさん、サクラコさん、お願いしまーす」
なんちゃって、またしても花より団子の「蘭」でいい気持ちちゃんになるのであった。

10:58:00 | mogmas | | TrackBacks