August 01, 2007

真夏の腐乱死体

  
実家の弟から、午後電話がかかってきた。
隣の家から異臭がして、パトカーが来ていると。

隣家には75歳くらいの男性が一人暮らしをしているのだが、2週間ほど前から姿が見えず、ここ数日の暑さで、なんだか生ゴミのような強烈な異臭が漂ってきていたということだ。
隣家の1階にはテナントが入っていて、その店の人が朝来てみると、異臭は堪え難いほど強まっていて、たまらず不動産屋経由で警察に連絡がいったのだそうだ。

隣家はオヤジたちが物心ついたときからのままで、築50年はゆうに過ぎており、若干実家の方へ傾いている。
昔の事情を知っているばあさんを連れて、実家まで行くと、覆面パトカーがまさに到着したところで、白い警察のワゴン車とパトカー、おまわりさんの自転車などがすでに止まっていて、近所の住人が顔をしかめて噂話をしている最中であった。

現場到着から20数分が過ぎたところで、ようやく警官が家の中に入っていき、2階の窓が開けられた。

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梅雨明けしたらしい8月1日の午後の熱気の中に、何ともいえない嫌な臭いが漂ってくる。
画像の表示仕事とはいえ、警察官は大変だ。
マスクと手袋をつけて、ようやく遺体を運び出すようだ。

覆面パトカーで乗り付けた、精悍な顔つきの作業着の警官は、靴に透明ビニールのカバーをつけ、こんなことには慣れっこさといわんばかりに、マスクもつけずにテキパキと仕事を遂行している様子で、まもなく袋に入れられた仏さんが運ばれてきた。
夏の風が強烈な腐敗臭を運んできて、思わず顔をしかめた。

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今の段階ではまったく事情はわからないが、1個の物となってしまった亡骸は何の変哲もない白いワゴン車に積み込まれ、これから検死解剖にまわされるのだろう。
他殺でなければ、弟も根掘り葉掘り事情聴取を受けることはないだろう。

やがてかあちゃんの強力な「油売り情報網」で、より詳しい経過がわかるかもしれない。
いずれにしても、真夏の腐乱死体はとても、とても、切なくて強烈に臭かった。
ご冥福をお祈りするより他にない。
合掌 !

19:32:08 | mogmas | | TrackBacks