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裸でパスタ

　　
暑い、熱い、アツイ !
部屋の中の温度が33度。
台風の影響か、風はあるのにちっとも気温が下がらない。
これじゃ、生きてる人間も腐っちまう。
Tシャツをかなぐり脱ぎ、頭から水をかぶり強制冷却。

こんなときこそ体力をつけて、陽気なイタリアンにならねば。
1.6ミリの太めのパスタを用意。
冷蔵庫の野菜室から、長野のナスと仙台のトマト、赤ピーマンを取り出し、タマネギとニンニクをみじん切り、オリーブオイルで炒めていい感じになったら、野菜をみんな放り込む。なにやらかんやらスパイスを振り入れ、パスタの茹で汁とケチャップ、ほんのわずかに残っていたサルサソースもぶち込み、グツグツ煮込むことしばし、途中で吹き出した汗を濡れタオルで吹き拭き、扇風機の前で強制冷却。
上半身は裸のままだ、マンマミーア。

真っ赤に燃え〜る、トマトソースと紺碧のおナスちゃんが食欲中枢を刺激する。

大急ぎで、大急ぎで入れたマンダリンを、強制冷却してアイスコーヒーに。
コーヒーが肝臓癌にいいらしいと新聞に書いてあったけど、インスタントじゃだめだろう。
手間がかかってもドリップして出さなきゃ、などと考えているとまたまた汗が吹き出してきて、濡れタオルと扇風機で強制冷却だアミーゴ。

大汗かきながらトマトソースをかき回していると、かあちゃんが涼しい顔して言った。
「それ、小僧とおばあちゃんの晩のおかずにちょうどいいね」
なにぃっっ !!
ワシが独り占めして食っちゃいかんのか !?
うぬぅぅぅっ、いつも大量に作るのを見越して、まってましたとばかり言いやがって。
この、手抜きかあちゃんめ。

が、製作責任者として、がっつり食わしてもらおう。
粉チーズを振り、長野のお土産で、ハバネロとかんずりをミックスさせた「和風激辛スパイス　雷」を、これでもかとかける。
辛旨 !　裸の背中を汗がつぅ〜と伝う。
濡れタオルとアイスコーヒーで強制冷却。

Lei ha fame ?

Ti piacce il pasta ?

Non parlo italiano.