September 13, 2007

嵐の夜の「今日までそして明日から」

  
モグランポの店内BGMは、いわゆる有線放送ではなくて、衛星デジタル放送「ミュージックバード」の109チャンネル、70〜90年代のフォーク・ポップスにほぼ固定されている。
たんにオヤジとかあちゃんの趣味なのだが、“懐かしいっ ! ”と口ずさむお客様も時々いらっしゃるので、概ね満足していてチャンネルを変えることはあんまりない。

先日、麻布のクラブで自分のお立ち台があると豪語する女王「ユカちゃん」が来た夜に、どんな曲で女王様になるんだか聞いてみて、クラブチックなダンスナンバーのチャンネルに変え、照明を落として「クラブ・モグランポ」にしてみたりしたけれど、こんなことは滅多にやらない。

懐かしい歌謡曲全盛の頃の曲は、若い人でも最近カバーされたものや、両親の影響などでけっこう知っていて、カラオケで歌ったりもするようだ。
しかし、タイトルや歌手の名前があやふやだったりして、たまに大爆笑もののこともある。
「ハーバーくん」の後輩で、20歳に毛が生えた程度の年齢の「タケちゃん」は、「ワインレッドの心」を知っているというのだが、歌手名は自信を持って「危険地帯」と言ってしまうのだ。
う〜ん、一頃の玉置浩二は確かに「危険地帯」だったような気もしないでもないが、しかし・・・。


概ね満足している「ミュージックバード」だが、衛星から降ってくる都合上、どうしても雨風に弱い。
台風などの大雨の時には受信状態が悪くなり、ある一定のレベルへ達するとブチッと電波が途絶えてしまい、音が出なくなってしまうのだ。
そんな弱点を補うために、電波が途切れたと同時にバックアップ用のCDプレーヤーへ自動的に切り替わる。
今までのたいていの雨風では、CDアルバム1枚分が終わる頃には収まっていたり、こちらの営業が終了したりして、特に気になることはなかったのだが、ついこの間の台風の時は、今までになく切ない現象が起きてしまった。

日本列島に爪痕を残した台風9号は、上空でも非常に暴れ回っていたようで、強い雨が滝のように降ったかと思えば、一転してピタッと止んだり、その度に電波が途切れたり回復したり、CDプレーヤーも再生・停止を繰り返した。
その時CDプレーヤーの中に入っていたのは、「吉田拓郎」の「感度良好 波高し」というアルバムで、1曲目の「ベイ・サイド・バー」が最後まで流れたあと、その2曲目のリメイクした「今日までそして明日から」の途中で何度も切り替わってしまうのだ。
およそ10数回も「今日までそして明日から」を中途半端に聞かされ、いいかげんうんざりしてしまった。
いくら拓郎ファンでも、嵐の夜の途切れ途切れの「今日までそして明日から」の連続にはまいってしまう。

かくなる上は、早急にバックアップ用のCDを作らなければ。
iTunesにコレクションした曲の中から、嵐の夜に相応しい曲を選んでみよう。
さて、どんな曲がいいだろう ?
ノリのいい陽気な曲にするか ? しっとりしたバラードなんかはどうだろうか ? はたまた嵐を吹き飛ばすようなギンギンなロックがいいか ?
悩んでいたら、またまた雨模様のいや〜な陽気になってしまった。
そしてまた「今日までそして明日から」が流れ出した。
プレーヤーからCDを取り出して家に持って帰ってきた。
だからいま店のCDプレーヤーは空だ。
嵐が来て受信しなくなったら、音楽なしになってしまう。
やばい、急いでダビングしなければ・・・。

♪ そして今私は思っています 明日からもこうして生きて行くだろうと ♪


14:58:44 | mogmas | | TrackBacks