March 06, 2008

煮ても焼いても食えないナンコツ、そして・・・

  
2日前から再び胸が痛み出した。
何もしていない状態でもジンジンと痛み、うっかり左手で重いものを持ったりすると激痛が走り、頭が回っていない上にこのイライラが重なり、気分は最悪だ。

かあちゃんが通っている「カーブス」のビルの中に、評判がいいという整形外科があるというので、行ってみた。
年寄りが多くかなり待たされるのを覚悟したが、1時間後にやっとレントゲンを撮られた。
ヒマにまかせて、診察室からもれ聞こえてくる院長の声から、その人となりを想像してみた。
ざっくばらんな若干だみ声で、関西なまりがある。
声の感じから「酔いどれ天使」の志村喬を思い起こした。
背が高く恰幅がよく、口かアゴにヒゲを蓄えている60歳後半から70歳前半の好々爺。
おじいちゃん、おばあちゃんに対して的確でわかりやすい説明と、遠慮なくズバッと突っ込むが嫌みでない口調は、年寄りには好かれるだろう。

1時間半後にようやく診察になった。
前をはだけられる診察着に着替えて、院長の前の椅子に腰掛けた。
ぜんぜん想像と違った。
背は低いし、どちらかというと痩せ形で、年齢は60歳前半のようだ。
だが、ヒゲがあることだけは当たった。

レントゲン写真を見ながら説明を受けた。

「こりゃナンコツだなぁ。肋骨の上から数えて6番目と7番目の間、このあたりだろう。でも写真に写らないんだよ。ちょっと見せて」

診察着を脱いで、触診された。

「これか ? このあたりか ? 痛いか、痛いよなぁ。クシャミすると辛いだろう。アンタ花粉症か ? ちがう。よかったね」

ペンで傷むところにマーキングされた。

「はい、わかった。テープでいこう。テーピング、わかる ? あ、そ。アンタ痛い時手を当てるだろう。手を当てるとちょっと痛みが和らぐやろう。それ、テープでその役目すんの」

弾性のコットンテープを、息を大きく吸って、傷む胸に張り付けられた。
寄せて、上げてみたいだが、それだけで幾分痛みが和らぐのがわかった。

「どう、ちっとはいいだろう。えー、ナンコツにヒビが入ってるんかな。治り遅いよ。1ヶ月かかるな。重いもの持ったらだめよ。アンタ仕事は ? あっそ、お好み屋さん、近くにあったかいな。フライパンより重いもの持ったらだめ。はい、全治1ヶ月」

的確である。
替えのテープと、テープの上から塗る痛み止めと、あまりに痛いときだけ飲む痛み止めを処方してもらった。
湿布はたいして効果的でないそうで、風呂もゆっくり入っていいと言われた。
最初に行った病院では患部を見ることもなく、ただ湿布と痛み止めを出されただけだった。
この違いは、患者の精神的にも大きく影響する。
大阪で激痛が走った「煮ても焼いても食えない」オヤジのナンコツは、関西なまりのおっちゃんみたいな院長の診察で楽になった。
これも因果というべきか ?
やはり町のお医者はこうでなきゃ。


安心して店に戻ると、設計事務所から電話がかかってきた。
1週間前にした工事の約束は、まったく予定もたっていないで、一番分量の多いクロスの張替えにいたっては、3月末になるという。


 激怒 !!


治まった痛みが再びぶり返してきた。
この現状を相談する“その道のプロ”がいないものか ?
心身ともにポロポロである。
無性に酒が飲みたくなってきた。

とにかく、今夜中に残りの工事の予定を立てて、必ずメールすることを確約させて電話を切った。
胸がジンジン痛い。
仕事をする気力が一気に失われた。

「ヒトリモン」先生が、金粉入の金と銀のラベルのお目出度い泡盛を持ってきてくれた。
話し相手ができて少し気がまぎれた。
酒も飲んだ。
帰りに寄り道して、さらに飲んだ。
「林檎」のメールを開くのもおっくうで、テープの上からたっぷり痛み止めを塗って寝た。

翌朝、設計事務所から送られてきた今後の工事の予定のメールを見た。

【3月11日工事】
1.コンロ周りキッチンボード増し貼り
2.酒棚ビン転び止め金具取付け
3.流し上 水切り棚交換
4.家具テーブル 力板交換
5.長椅子 きしみ調整
6.2階パーティールーム扉 交換
7.2階パーティールーム扉 塗装
8.給湯器 位置移動
9.換気扇フード周りコーキング
10.エアコン風量調整 エアウイング取付け。

【3月末日】
11.クロス張替え。


まったく、うんざりである。

未だ開店できないのは、こういったことが残っていたからなのです。
どうぞ、事情をお汲み取り頂き、もうしばらくお待ち下さい。

またご存知の方は、毎晩店で試作・写真撮りを行っておりますので、遠慮なく覗いて下さいませ。
そしてご意見を賜りたくお願い申し上げます。



12:43:26 | mogmas | | TrackBacks