April 20, 2008

キルトにフンドシ  その2

  
画像の表示キルト三人衆 左から 大酒飲み「バイロン」パパ、気を使う新郎「ジョニー」、陽気な大王「サンディー」。


背が高く、鼻も高い“ガイジン”の顔立ちだから、ハイソックスにスカートでもそれほど違和感はないが、首から上を「ヒトリモン」先生と「バーバーくん」とオヤジの顔に変えたらどうか ?
ただの「ヘンなオジさん」になってしまうのだ。

腰に下がっているポーチは革張りのサイフで、これまた我ら日本人が下げたら、昔のバスの車掌さんになってしまう。

しかしこのキルトの下がノーパンだとは、ギャルな女子高生は知る由もなく、ましてフンドシをしめているなんて、お釈迦様もケルトの神様もご存知あるまいて。
イッ、ヒッ、ヒ。


上野のパーティ会場は大盛り上がりで、およそ6、70人も出席者がいたろうか、人いきれで熱くて熱くて、思わず羽織を脱ぐほどだった。
新郎新婦の幅広い人脈と、飾らない人柄が会場を和ませていた。

この日のためにつくったスライドショームービーも、まあまあウケてくれたみたいで一安心。
ハグハグヴァージンの「ヨウコリン」も、次々と異国の殿方から力強いハグを受け、「キャー、アィャー」などと言いながらもオヤジにデジカメで撮れと催促する有り様で、こんなに多くの外国人と初めて身近に接した小僧は、目を輝かせてわからないながらも「サンキュー」を連発し、かあちゃんはまたしても「バイロン」親父からマウス・トゥー・マウスだ。

宴たけなわではありますが、生バンドのビートルズに送られて新郎新婦が退場した後
、残った人々は和になって手をつなぎ、スコットランド民謡の「蛍の光」を大合唱、終了のテーマとして最高だということをあらためて実感した。

三々五々出席者も退場したところで、「ジョニー」の兄貴の大王「サンディー」に、

「キミももちろんキルトの下はノーパンだろうね ? 」

とカマをかけると、調子に乗った「サンディー」はいきなりはいているトランクスを脱ぎ、オヤジに投げてよこした。
まったくその筋の趣味はないオヤジは、その脱ぎたてホカホカのトランクスを

「オー、ソーリー」

と呆れる奥さん「アシュリン」に返して上げた。

そしておよそ30人ほどの外人と日本人の混成チームは、日曜日で手薄な「HUB」になだれ込み、一瞬で店を本場っぽく変えてしまうのだった。

テンション上げ上げの一行が、何も知らない他のお客さんのご迷惑になってはいけないと、気の利く調子コキ「M・Cバーバー」はやおら椅子の上に立ち上がり、店から借りたマイク片手に「a ちょこっと英語」で店内アナウンスで事情説明。
万雷の拍手を浴び、テーブルからテーブルへご挨拶に回る日本の調子コキとスコットランドの調子コキオヤジ「バイロン」。

「オマエモモチロンソノサムライ・ファッションノシタハフンドシダロウナ ? 」

疑いの目で見る「サンディー」大王に、目ん玉開けてとくと見ろ !
とばかりに着物の前をはだけ、広重・北斎描くところの「東海道五十三次」の絵柄のかあちゃんお手製のフンドシを見せつけてやった。

「オー、ウタガッテスマナカッタヨ、マイフレンド。ジツニスバラシイフンドシチャンダ。ゼヒワタシニモツケテホシイ」

その言葉を待っていた。
かあちゃん指導のもと、奥さんの「アシュリン」がキルトをまくり上げて苦心してフンドシを着けてあげると、満面の笑みで喜ぶ「サンディー」大王。

「オー、ナンテカイホウカンナンダ。クニヘカエッテモカナラズアイヨウスルヨ」

それを合図にキルトのスコットランド軍団は、我も我もとフンドシを求めるのであった。
残念ながらノーパンは「サンディー」大王だけだったが、かあちゃんは喜々としてフンドシ着付けに励み、無理かなぁと思っていた「バイロン」親父にもまんまとフンドシを着けさせた。
残るは新郎「ジョニー」ただひとり。

今ではすっかり日本語にも慣れ、突っ込みやジョークまでこなすK・Yではないスコットランド人「ジョニー」は、この状況がいかにオバカなものかがよぉーくわかるので、ちょっとためらうのだが、なんせ“ノリノリ”の新婦「ヒカル」がこれを楽しんでいるのだからしょうがない。
人々のやんやの喝采の中、恥じらう「ジョニー」のキルトをたくし上げ、新婦「ヒカル」はフンドシをつけてあげるのであった。
夫婦最初の共同作業でございます。めでたし、めでたし。

我がフンドシ作戦完了せり !!

次回、大団円 !!!





13:35:10 | mogmas | | TrackBacks