June 10, 2008

魔法使いのソナタ

  
人の親切が身に沁みる今日この頃。
5人目の助っ人が来てくれた。

その日はとても忙しく、スジ・コンやタルタルが売り切れ、モツ煮込みもきれいになくなり、おでんや肝心のお好み焼の生地もいい感じで使い切った。
かあちゃんと2人だけでやっていたら、とてもしんどかったと思う。
改めて5人目の助っ人に感謝。

しかし残念ながら、5人目の助っ人は自称女子大生ではなく、男で、しかも魔法の使えない魔法使いだった。
かつて1度だけ、高校生の男の子のアルバイトにいてもらったことはあったが、モグランポの厨房にユニフォームを着て入った男子は彼で2人目になる。
えー、調子コキの“あの男”は、このさい勘定にはいれません。
なぜなら、調子コキですから・・・。

魔法の使えない魔法使いは、当店では通常「ポッターくん」と呼ばれている通り、眼鏡を同じものにすれは、限りなく「ハリー・ポッター」に似ているのだ。
かれは北海道から「せいゆう」になるために出てきて、レジ打ちや商品管理の勉強をし・・・・・って、そりゃ「西友」でありました。
そうではなく、アニメや洋画の吹き替えだの、エロゲーの声やエロゲーのあえぎなど、エロゲー関係の声なんかを目指していたりするわけで、人に言うときには「役者志望なんです」とかなんとか格好つけちゃうのだ。

彼は真面目で誠実で適度にスケベな好青年であるが、「役者」になるにはちょっと貪欲さに欠け、押しが弱い。
でもなんとかその道で成功してほしいから、きっかけ作りと思い、いろいろ声をかけた。
もう放送は終了してしまったようだけど、「銭金」の出演者募集の依頼がスタッフからあったとき、真っ先に「声優志望貧乏さん」の彼の顔が浮かんで声をかけたのに、彼はきっぱり断ったのだ。
北海道の家族や友達に「貧乏さん」は見せられない、それだけは勘弁してください、などと真っ当なことを言うのだ。
どうせ「貧乏」はほんとうなんだから、さらに自分で「ド貧乏」を演出するぐらいの気持ちがなきゃいかんでしょ。
なんだってきっかけなのに、なんと欲のないオバカちゃんだこと。

それから、「ズキュン ! ハマタ」のデビュー映画になるはずだった作品にも声をかけたのに、バイト優先みたいなことを言い、あまり乗り気じゃなかった。
まあ、幻になってしまったから言ってもしょうがないが、なんでも顔を売らにぁしょうがなかんべよ。
と、オヤジは思うのだ。

いわゆる「イケメン」、とはちょっと違うが、ご面相だって悪くないし、以前にも書いたが、「ハリー・ポッター」と「ヨン様」は同系統の顔だと思うのだ。
だから中年女性にはモテそうだし、魔法も手品も使えないんなら、いっそ「ヨン様」似でアピールしてもいいのに、それもイヤだと言う。
そんなワガママばっかり言ってたら、旬を逃がしてしまうではないか。

今度またなにかおもろい出演依頼や募集があったら、その時は絶対断らないでくれよ。
取りあえず、ビール好きなんだから、生ビールの注ぎ方ぐらい勉強しなさい。
そしてもっとオバカになりなさい。
さすれば道は拓けるかもしれんぜよ。

こう言いながらも、オヤジは感謝しているんでっせ。
疑いの目で見るな !
ありがとう「ポッターくん」。


余談でありますが、「ポッターくん」が手伝いに来てくれた翌日の午後。
いつものようにかあちゃんはテレビのドラマを見ていたが、なんとそれは「冬のソナタ」だった。
昼ご飯を食べながらそれにつき合わされたオヤジは、「チェ・ジウ」に魅了され、「ヨン様」の正しい役名を初めて知った。
「ヨン様」の役名を「チュンさん」だと勘違いしていたオヤジは、好き合う同士なのにいつまでもさん付けでヨソヨソしいと思っていたが、ほんとうは「チュンサン」だった。
なるほどね。
どうでもいいことなんだけど、ちょっとスッキリした。

「ポッターくん」、キミもスッキリさせてくれよ。





15:58:39 | mogmas | | TrackBacks