June 27, 2008

入歯の臭いでひと泳ぎ

  
2年ぶりにプールへ行った。
区営の「すいすいらんど綾瀬」まで、車ですいすいっと出かけた。

「あんまり一生懸命泳いで倒れないでね」と水を差すかあちゃんをよそに、オヤジは泳ぐ気満々だ。
「北島康介」おすすめモデルのゴーグルを着け、小僧とおそろいでアメ横で980円で買ったパンツを穿き、耳栓を着けたら、もうお魚になった気分で、水泳教室の団体さんを尻目に準備運動をいそいそと、足を水の中に入れたら陽が出てきた。

「すいすいらんど綾瀬」の屋内温水プールは、ガラス張りのカマボコ型をした温室のような作りで、晴れると陽が差して気持ちがいい。
ここへ来るといつも「モスラ対ゴジラ」を思い出す。
この施設が、インファント島からかっぱらったモスラの卵を入れた孵化器に似ているせいだ。
泳ぎ疲れてボンヤリ天井のガラス越しに空を見上げていると、そこにヌッとゴジラが顔を出すような気がして楽しくなる。

いくら待ってもゴジラは来ないから、手始めにプールの中を歩き出した。
せっせと、脇目も振らずに25メートルのプールを何度も往復。
ゆっくり歩いているお年寄りを追い抜き、かわし、歩く。
今日はなぜかおじいちゃんが多い。
きっと常連さんなのだろう、みんな陽に焼けて、なかなかかくしゃくとしている。
泳いでる様は、まるで年齢を感じさせない達者なもので、つい見とれてしまった。

身体もほぐれたので、いよいよ2年ぶりに水を蹴ってみることにした。
最初は平泳ぎ、続いてクロール、背泳ぎと、続けて泳ぐことができてちょっと一安心。
だがけっこう息が上がってしまい、平然と泳ぎ続けるおじいちゃんたちの列から離脱して深呼吸。
ん ?
なんかヘンな臭い。
そう、さっきから感じていたが、湿ったすえた臭いとは違う、なんかちょっと堪え難い臭いが時々しているのだ。
25メートル泳いで、プールの端にくると臭う。
なんだ ?

ええい、そんなことに気を取られていてもしょうがない。
泳ぐのだ。 ひたすら泳ぐのだ。 時間いっぱいまで泳ぐのだ。
で、結局4キロぐらい泳いだ。
ヒイヒイいってしまった。
と、また臭う。
その時オヤジの脇を、ひとりのおじいちゃんが息継ぎをして泳いでいったのだ。

わかった。
それはおじいちゃんの入歯の臭いだった。
だがそれは、そのおじいちゃんだけではなく、あっちのおじいちゃんも、こっちのおじいちゃんからも発しているのかもしれなかった。
だから息継ぎをするあちこちで、臭いがしていたのだ。
泳ぎは達者でも、入歯のお手入れはイマイチだ。
こんなときポリデントがあれば・・・・。

足立区のプールにはぜひ、無償でポリデントを用意して頂きたい。
プールの監視員はぜひ、臭いにも注意を払って頂きたい。
達者なおじいちゃんたちはぜひ、プールの前にポリデントして頂きたい。
ちなみにワタシは、アース製薬の回し者ではございません。

これから夏に向かって、ますますプールは混雑してくるだろうが、こうなりゃ耳栓とともに鼻栓もしてやるか。
ウォーターボーイズで華麗に泳ぐとしようか。

プールから出て一息ついて、血圧を計ってみたら、140-92 脈拍は101だった。
普通じゃん。
よーし。







10:54:00 | mogmas | | TrackBacks