September 15, 2008

M男の悩み

  
「反省期」のオヤジが短期間で“25才の若造”になってしまうと、いろいろと問題が出てくる。
切実なことは、着るものがない、ということだ。

いや、あるにはある。
いままで着ていたものを着てりゃあいいのだが、いい歳してダブダブの借りてきたような服を身につけるのは、いかにも貧相で、哀れを誘うほど情けないと、先日の義兄の葬儀でしばらくぶりの喪服を着て実感した。

それまでの服のサイズは上半身はLだったが、肩と背中と胸の贅肉が落ちたことで、あっさりM体型になってしまった。
長らくL男をやっていたおかげで、いろんなものが“ルネッサンス〜 ! ”なわけで、タンスの中の服がことごとく貸衣装状態なのだ。

痩せたら服の心配もしなきゃならず、よけいな出費がかかると、ダイエット本で注意を即した方がいいと、老婆心ながら申し上げたい。

せっかく「おちょこくん」ファミリーから新装開店のお祝いで頂いたロゴマーク入りのユニフォームも、ダブダフで「雇われ店長みたいだ」とかあちゃんに言われる始末で、「あーそうかい、そんなら元の金持ってんゾー体型に戻れちゅーのかい ! ルネッサンス〜 !! 」と、人の努力も(実はまったくしていないのだが・・・)ないがしろにした発言にキレるのであった。

まあしょせせん「Cちゃん」の言葉通り「25才の若造と言ったって、外見はおやっさんだからさ」と、別に事情を知らない人は使用前→使用後の区別はつかないわけで、ダブダブを着ていようが、スッポンポンだろうが、気にも留めないのが世間というものだ。

しかし、歩いたり走ったりする時には、身に合わないものは確実に成果に現れるようで、汗みどろになってまとわりつくLサイズのTシャツは、どうにも不快で集中力が削がれ、記録に如実に反映されてくる。
これはひとつウェアの1,2枚ぐらい買ったってバチは当たらんだろう。
それにこれから寒くなったら、ウインドブレーカーや長いジャージだって必要だし、取りあえずどんなものが売っているのかぐらい見てこようと、神保町へ出かけた。

神保町界隈には、昔からスポーツ用具店が多いのは知っていた。
かつて自転車に乗っていた頃は、今ほど自転車洋品が豊富に無かったので、山用のものを転用したり、改造したりして使っていたものだが、そういうものはよくこの界隈で探していたのだ。

千代田線を降り靖国通りの交差点に出ると、まず懐かしい「顔のシャツ」の看板が現れ、隣には「菊一文字」の看板を何年かぶりで見た。
すっかり変わってしまった建物と、昔からあるお店が軒を連ねている。
札幌ラーメンの「エイト」は、もう30年以上続いているのではないか ?
顔が味噌色になるほど、よく食べたものだ。
パチンコの「人生劇場」も同じ場所にある。
映画の学校に行っていた頃は、よくここで玉を弾き、両替えではなく野菜だの日用品を交換した覚えがある。
血気盛んなお兄さんたち御用達の「羽賀書店」も健在だ。
「ビニ本」なんてものは絶滅して、AVに取って代わられたのだろうが、小僧と一緒でなければちょっと店内を覗いて見たかった。

スポーツ用具店をチェックする前に、まずそういう懐かしいお店と本屋巡りに時間を費やしていたら、「歴史時代書房 時代屋」なるお店を発見。

画像の表示歴史好きにはたまらん専門店だ。

小僧が焦れるので、サクサクっと店内を物色、龍馬本を2冊買って出たが、今度ひとりでじっくり来よう。

さてさて肝心のウェアだが、店と品数が多すぎて定まらない。
それにお値段もお高く、そんなアスリートではない“若造”には手が出しにくいものばかりで、結局仕事で使うバンダナを3枚千円で買っただけで、神保町を後にした。

急にM男になってしまうと選択肢がありすぎて、かえって迷ってしまうということがよくわかった。
安易に痩せるのも考えものですな。
体の数値が問題なけりゃ、お腹がポニョぐらいが年相応なのかもしれないね・・・。
と、つまらないことで“若造”のM男は悩むのである。






07:46:37 | mogmas | | TrackBacks