September 02, 2007

オレの変化に気づけ !


ハナキさんちの末っ子「ミヅキくん」がオヤジの肩をポンポンと叩いて振り向かせ、
「マスター、オレの変化に気づかない?」
と言った。
彼はもうすぐ12歳になる小学6年生で、
「体重何キロになった?」
と訊けば
「お願いそれだけは訊かないで」
と俯き、
「好きなコいるんだろ?」
とカマかければ、赤くなってコックリ頷くシャイな男の子だ。

父ちゃんのハナキさんは鹿児島県人で、芋焼酎のボトルをほぼ2度目で空けてしまう。
オヤジからすると、それはどうよぉと思うが、地元式にウーロン茶で割ってグビグビやる。
じっさい鹿児島の飲み屋では普通のことだったが、あっちの人は、レモンサワーやグレープフルーツサワーなども甲類焼酎ではなく芋焼酎で割って飲むのだ。
ハナキさんは酔うと表情がゆるんで「蟹江啓三」に似てくると、密かにオヤジは思っている。

父ちゃんがテンション高めだと子供にも影響するようで、「ミヅキくん」も陽気でいつもニコニコしている。
その彼がちょっとスカして「オレの変化に気づかないか」と問うのだが、あいにくオヤジは若い娘の変化には敏感だが、ガキんちょの変化まではチェックの対象外だった。

気がつかないオヤジにじれて、彼は人の鼻先でクルッとターンして見せた。
「ねっ、わかった?」
わからん。
「う〜ん、髪の毛切ったんだって」
なるほど、しかし違いがわからん。
「なんだよ。デートでもするのか?」
「ち、ちがいます…」
途端に真っ赤になる純情ボーイ。
嗚呼、今は無き聖なる少年の甘酸っぱい夏の1ページ。

いい気持ちちゃんの父ちゃんと、親子そろって赤ら顔。
ほらほら、夏休みはもうすぐ終わりだよ。
宿題やったか?
歯〜磨けよ。
ア ビバ ノノン !


10:47:00 | mogmas | | TrackBacks