February 06, 2006

大物業界

今日は夕方から雪が降るかもしれないという。
どうりで朝から寒いわけだ。
市場へ行ってみると、月曜日なのになんだかガラ〜ンとしている。
人が少なくて活気がないと、よけいに寒々として見える。
店の人たちも手持ち無沙汰で、みんな「スーちゃん」になっている。
(注 スーちゃんとは、寒さで縮こまり歯の間からスーッと息を吸い込む人のことをさす)

それでもしばれる手ででっかいマグロを、まるでカタナのような包丁で切っている仲卸のお兄さん、氷水の中から魚を取り出すおじさん、平然と仕事をこなしている男たちも大勢いる。
その手は分厚く、魚のヒレで傷だらけだが、力強いことこの上ない。
寒さで震えている魚屋なんて、粋ではありません。

毎年市場でもらう「休市カレンダー」には、市場の休みが記してあり、日曜日だけではなくなった市場の休みをチェックできる。
カレンダーの一番下には、取り扱うモノによって分けられた業界の名が入っている。
マグロなどの大型の魚を扱う業界、近海物や貝類などの中・小型の魚を扱う業界、乾物などを扱う業界などなど、もらう店によってカレンダーの下に印刷された名前が変わる。
自宅に張ってあるカレンダーを、はじめて見た人はちょっと笑ってしまうかもしれない。
だって、
画像の表示「大物業界」なんですもの。
芸能界の大物、大物政治家、経済界の大物、やくざの大物・・・、相当の大物たちが名を連ねていると思われるのですな。
「ワシもようやっと大物の仲間入りじゃ、フフフフフフファ〜」
Cちゃんが言います。
「もう、モグマスったら、太っ腹なんだから」
「オイ、そりゃデブってことかい?!」
ひょえ〜、わちきはまだまだ雑魚でありました・・・。

15:18:01 | mogmas | | TrackBacks

実は、かなり病気みたいなのです

かあちゃんだけには打ち明けましたが、実はオヤジは病気だと思うのです。
それもかなり深刻な状態です。
つい2週間前ぐらいから自覚症状が出始め、お客様には悟られないように我慢していたのですが、とうとう限界に達し、1週間前に治療しました。
しかし満足のゆくものではなく、だましだまし今日まで過ごしましたが、今夜再び治療する羽目になりました。

おかげさまで今夜はとても忙しく、ネタが切れそうになる寸前でした。
「ヒトリモン」や「バーバー」くんが来てくれたので、なんとか病気を制御出来たのですが、オヤジのガラスのような心は何度も崩れそうになっていたのです。
喉もカラカラで、一段落してやっと喉を潤そうと、悪魔1号のお詫びの品のウイスキーをすごく薄い水割りにして一気に飲んだ時、突如バッカスの神が降りてきました。
何度か試作していいところまでいっていたのに、ほんの少しだけ納得のいかなかった「梅・ウメサワー」のレシピが電撃のように閃いたのです。
早速作って、「バーバー」くんと同郷の友人で近く博士になろうという「ベン」ちゃんに試飲してもらったところ、“いいんじゃあ〜りませんか”という反応。
梅干しをグシャグシャにつぶした方がより旨くなるようで、これは久々に手応えを感じた。
怠け怠けに一時伸ばしにしていた飲み物メニューの改訂を、これを期に一新しようと心に決めた。 
ありがとう「バーバー」くん「ベン」ちゃん。

しかし彼らも去り、黙々と片付けをしていると、再び病気の虫が沸き上がってきた。
だめだ。
ここで気休めでもいいから治療をしておかないと、いつ仕事中に病魔に襲われるかわからない。
大急ぎで片付けを終え、かあちゃんとともに手近の治療店へ急行、目当ての薬をオーダーした。

ただ治療するだけでは治まらないのが悲しい性で、ふと壁に張ってある飲み物に目がいった。
画像の表示青島麦酒。
まったく知らなかったが、アサヒビールが輸入していたのだった。
それはそれでウマウマちゃんの日中友好なのである。

待つことしばし、お目当ての「ソース焼そば」がやって来た。
そう、オヤジは悲しいくらい「ソース焼そば」喰いたい症候群にかかっていたのであります。
お店でオーダーがあると一生懸命つくりますが、ソースの焼ける匂いにメロメロで、「ああ、お客様に食べさせたくない」などと店主としてあるまじき妄想を抱くようになっていたのであります。
それが高じて、他人の作ったあまり旨そうでない、縁日のありがちな味の「焼そば」が食べたくて、食べたくて仕方がなかったのです。
いやいや、その辺の中華屋さんのありきたりな「ソース焼そば」はなかなかオツですな。
青島麦酒とともにありがたく頂きました。

オヤジが「ソース焼そば」喰いたい症候群になるのは、決まって「焼そば」ソースを作った後なのです。
寸胴にグツグツと煮えるソースをかき混ぜ、その匂いを嗅ぎ、瓶に移すときには、もう「焼そば」病に犯されているのでしょう。
しかし、ソースを作った直後ではなく、数日して症状が出てくるようなのです。

だいたいにおいて、飲食店の経営者は、仕事が終わった後に他人に奉仕されたい、他人の作ったものを座って食べたいという欲求が起きるようでありますが、オヤジとかあちゃんも例外ではなく、ときどき悪食、暴飲をしてしまうのであります。
今夜の「ソース焼そば」喰いたい症候群はなんとか治まったものの、完治したわけではないので、いつ何時症状が悪化して、お客様のオーダーで作った「焼そば」を自分で食べてしまうかもしれません。

ある日臨時休業の張り紙をして東京からいなくなったら、富士宮焼そばか、博多焼ラーメンを食べに行っていると思って下さい。
そればかりか、最近沈静化している「お好み焼喰いたい症候群」が再発したらどうなることやら・・・。
病は気からと申しますが、オヤジの場合は病はソースからなのかもしれません。
心と身体の平安を願い、ソースと共にあれ!!

02:50:17 | mogmas | | TrackBacks