August 18, 2006

ポスト純ちゃんまんじゅう

  
ま、世の中いろいろありますが、難しい話には、まずかる〜いところから入ってみるのもいいんではないでしょうかね。
というわけで、すったもんだの8月15日が明けた16日、降ったり止んだりの気まぐれな天気が、九段下の駅を上がるとギラギラのドピーカンになって、陽射しの中に一歩足を踏み出しただけで汗がじわっと染みだしてくる有様で、汗を拭き拭き「靖国神社」の大鳥居をくぐったのであります。
しかし、こういう時期だから「靖国神社」に来たわけではない。
北の丸公園の「科学技術館・サイエンスホール」で行われる、韓国映画「グエムル」の試写会の時間にはまだだいぶ早かったので、ちょっと寄ってみたのだ。

この暑さの中、お年寄りから若い人まで、多くの人がここを訪れている。
交通整理の警察官が数人、集まりだした右翼の街宣車を慣れた様子で誘導しているのは毎年のことなのか、報道関係者もVIPらしき人も1日違いで見当たらない。
「大村益次郎」の銅像を過ぎたあたりで、小僧もオヤジも乾ききった犬のように舌を出して喘いで、水分を取らなければ干涸びてしまいそうになったので、掘建て小屋のような売店に入った。
クーラーなどない店内は人がいっぱいで、焼物の熱気でムンムンしている。
一応屋根があるので陽射しが遮られるだけマシだが、すぐに冷たいものを補給しなければ溶けてしまいそうだ。
冷水と書いてある給水器の水は、すでに温水状態で、小僧はかき氷、オヤジは生ビールに飛びついた。
なんとか人心地がついて店内を見渡すと、熱々の湯気が蜃気楼のようになっている「靖国うどん」をすする人や、熱々だが生焼けに違いないお好み焼をかぶりつく若者など、苦行としか思えない食欲を満たす光景が展開している。
そんな中、夏場のこの店で一番怪しい食べ物を発見した。
黒い半袖ワイシャツの胸元を大きくはだけ、チェーンスモーク状態のどことなくうらぶれた小泉首相似の親爺が焼く、焼き鳥だ。
段ボールの中のカチンカチンに凍った串を刺した鶏肉(おそらく中国産)を、無造作につまみ上げ、焼き台の上にポンと2、3塊置きそのままタバコを吸い続ける。
やがて溶けた焼き鳥が煙を上げはじめれば完成だ。
その光景を見ていない人は、ビールのつまみに買っていく。
親爺はさも面倒くさそうに、左手のタバコは離さず、右手だけですべてを処理し、終わるとまたソッポを向きタバコを吸い続ける。
おそらく何十年と続いているのだろうが、稼ぎ時のこの時期でさえマイペースなのだ。
さすが靖国の親爺。

店の入り口では、期間限定売り切れご免の「ポスト純ちゃんまんじゅう」が飛ぶように売れている。
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なぜか絵はがきの体裁のパツケージの左上には、80円の「小泉神社」切手が貼られ、9月30日の消印の回りには「GOOD-BY JUNCHAN THANKYOU」とある。
店のポスターには、チャイナ服を着た人物やヨン様風のキャラが「ソナタのおかげ」
と言っていたり、某米国大統領風のキャラが「ジュンチャンオツカレ〜」とか、某民主党代表風のキャラは「がんばれ日本」の旗をもって自転車に跨がっていたりと、きつーいジョークがちりばめられている。
当の純ちゃんは、「ラブミーテンダー」を歌いながら「純ちゃん杯」の旗を振り、「気がついたら5年経過してたよ」とニコニコ顔だ。
中身は薄皮2色栗饅頭らしいが、味なんかどうでもいい「ジャケ買い」した。
「チーム・アメリカ」のDVDと一緒に将軍様に送ってあげたい気分だ。
ただ残念ながら、スタートラインに並んだ4人の総理の椅子を目指す人物の内、すでに1人は脱落してしまったもんね。
ま、そんなことはどうでもいいか。

真夏の「靖国神社・遊就館」は、天国といえるほど涼しかったが、ソファーで鼾をかいているおニイさんは、ちょいと見苦しかったですな。
ここの売店で「パール判事の日本無罪論」という小学館文庫を一冊買い、「遊就館」のすぐ脇にある「ラダ・ビノード・パル」博士の顕彰碑を見た。
真面目な話は次回にゆずるとして、パル(パールとも表記する)博士の「東京裁判」意見書の結語を記す。
 
時が熱狂と偏見とをやわらげた暁には
また理性が虚偽から その仮面を剥ぎとった暁には
その時こそ正義の女神は
その秤を平衡に保ちながら
過去の賞罰の多くに
そのところを変えることを
要求するであろう


15:31:15 | mogmas | | TrackBacks