August 03, 2006

バッドサンタ

  
  
8月になったというのに、なんだこの朝晩の涼しさは。
汗っかきのオヤジが扇風機もつけずに寝れるなんて、ヘンな陽気だ。
だから、というわけではないが、「バッドサンタ」を見ることにした。
語呂合わせが好きだから、というわけではないが、お供には「VAT69」をチビリチビリ。

前科1犯。結婚歴2回。ジョンソン大統領の時代兵役でメキシコに2年駐屯中、目玉は殴られて引っ込み、腎臓は摘出、足首の骨は欠けて治らない。そのうえ飲んだくれで、女癖も最悪のウィリー(ビリー・ボブ・ソーントン)は、サンタクロースの格好をして、妖精に変装した小人の相棒マーカス(トニー・コックス)と組んで、毎年クリスマス・シーズンにデパートで子供と写真を撮る“人生最悪の”仕事を嫌々やっていた。
なんせ子供の頃からプレゼントといえば親父の拳骨しかもらったことがなく,ピーピーうるさい小便タレのガキが大嫌いときているウィリーは、小さな子を膝に乗せ,無理矢理笑顔を作り,ほしいプレゼントを聞いてやる“苦行”の間もウイスキーのボトルをはなさず,イライラしっぱなしで、聞くに耐えない悪態も時々つく。
仕事が終わったあとは油断して、お漏らしまでしてしまうほどだらしない「バッドサンタ」なのだ。

でも本当の姿は、書き入れ時で売り上げが詰まったデパートの金庫破りを生業にしている。
そうやって1年に1度大金をせしめ,次のクリスマスまで飲んだくれて無計画に過す。
全米中を渡り歩きめぼしいデパートを探し出す相棒マーカスに、金がなくなって切羽詰まると電話して、イヤなサンタに復帰するのだ。
クリスマスを間近に控えたアリゾナ州フェニックス。
今年も妖精に扮したマーカスと共にとあるデパートに狙いを定め、サンタ衣装をだらしなく着込み、好きでもない子供たちと一緒に、酒浸りで写真を撮られていた。
ところが、そんなウィリーに一人の冴えない肥満少年がなついて離れない。最初は邪険にしていたウィリーだったが、ひょんなことから少年の豪邸に転がり込み・・・。

コーエン兄弟の制作で、「ゴーストワールド」のテリー・ツワイゴフが監督した、毒のあるユーモアたっぷりの、掟破りなクリスマス映画だ。
画面から酒くさい臭いが漂ってくるような、怪優「ビリー・ボブ・ソーントン」の酔っぱらいぶりは痛快で、頭はぼやけていても車を転がし,金は盗み、デパートのLサイズ試着室に女を連れ込み、一週間トイレでしゃがめないほどガンガンかましたりする。
徹底的にサンタのバッドぶりを見せつけることで、後半、愚鈍だが純粋なデブ少年との交流が生きてくるのだが,それにしてもアメリカは役者の幅が広いし,宗教や人種や差別までもコケにして、笑いに変えてしまう度量の広い作品が作れるのがすごい。

小人のマーカスのような役者さんが生き生きと活躍できるようなドラマは、日本ではお目にかかれないし、そんな役者さんはいるんだろうか ?
せいぜい「ガラモン」や「ミニラ」の着ぐるみ演技が素晴らしかった、小人の「まーちゃん」ぐらいしか思い当たらない。
デブデブの少年もなかなかいい雰囲気を出しているし、デパートの警備責任者役のバーニー・マック、マネージャー役のジョン・リッターなど、ワキを固めた役者たちがこの映画をさらに味のあるものにしている。

気楽に見たが、けっこうめっけもんでした。
「ビリー・ボブ・ソーントン」はホントいい役者だ。
なんでアンジェリーナ・ジョリーと別れちゃったんだろう。
巨乳大好きは役の上だけのことだったんだろうね、きっと。



12:07:36 | mogmas | | TrackBacks