February 28, 2006

モグリンピック開催

「みなさんこんばんは、モグリンピック25日目の今日も、ここ北千住会場からお伝えします。実況はわたくし尾野次、解説は東京野間内クラブの家亜さんでお送りします。家亜さん、今夜もよろしくお願いします」
「はい、今夜もどんな妙技が見れるか楽しみですね」
「そうですね。おっと、試合開始と同時に現れたのは、フランス生まれで足立区在住のミカ・チヤン選手であります。そして同行しているのは、モグリンビック出場2度目のフー・ミン選手と思われます。家亜さん、これはどういうことでしょうか」
「そうですね、ミカ選手は若手ながらなかなかしぶとい絡み技を持っていますからね。パートナーというよりは、強豪たち相手に戦う術を後輩に教えるため、と考えていいんじゃないでしょうか」
「なるほど、余裕とも見れますね。おぉーと、勢いよく入場してきたのは、大会連覇を重ねるインド代表ヒト・リ・モーン選手であります。背負っているバッグから何か取り出しました。ああ、大変だ、新しい泡盛の一升瓶が2本も入っている。これは反則ですね」
「そうですね。今審判から注意を受けています」

画像の表示「でも、これは大変うまそうな凶器ですね」
「今夜これで何人の選手が犠牲になるのか、今から心配です」
「しかしヒト・リ・モーン選手は、あの荒川静香選手もマネのできない独自のイナバウアーの名手ですからね」
「ええ、カウンターに突っ伏したと油断させて、一気にイナバウアーから1回転半捻りを加えて後頭部から床に落ちる荒技です」
「その時はすでに記憶を無くしているので、痛みすら感じないということですが、いかがなもんでしょうか」
「あ、尾野次さん、次の選手が入場してきましたよ」
「はい、もはや熟練の域にある2人のペアは、ロシア出身の群馬県人スチャ・ラ・カーン選手と、本人はフランス人と称していますが本当は中国籍のシー・チ・ヤン選手であります」
「前回のインタビューで彼女は、悪魔3号もサイボーグ003もかわいい娘はみんな3番目でフランス生まれのバレリーナだから、フランソワと呼んでなどと戯言をほざいてましたが、とんでもない思い違いですね」
「あの龍柄の衣装は、どうみてもフランス娘ではありませんね」
「ウイウイ」
「家亜さん、ボケなくていいですから・・・」
「あ、尾野次さん、シー・チ・ヤン選手がなにか叫んでますよ」
「早く、わたしの生ビールを持ってきやがれ、と聞こえました」
「いきなり難易度の高い舌技です」
「彼女は出だしの加速が素晴らしいですからね。すでにヒト・リ・モーン選手は防戦一方であります」
「スチャ・ラ・カーン選手が何事か言っていますよ」
「植木等のスーダラ節が歌えなくては、スチャラカとはいえないと叫んでいるようですが、オーッと、一小節目でつまずいた。さすがスチャ・ラ・カーンだ」
「バ・ア・バークン選手が入ってきましたよ」
「ここのところ目覚ましい活躍をしているこの選手は、宮城県の高校で荒川静香、宮里藍の先輩だったと豪語しており、自らはボクシングジムに煙草を吹かしてオニハンで通っていたという強者であります」
「今日も得意の“腹筋だまし”が出るんでしょうか」
「おっとぉ、シー・チ・ヤン選手が見え見えのほめ殺し攻撃で、スチャ・ラ・カーン選手をおだてている。返す刀でヒト・リ・モーン選手を切って捨て、バ・ア・バークン選手にもほめ殺しだァ!!」
「あ、出ますよ、尾野次さん」
「バ・ア・バークン選手Tシャツをまくり上げたぁ。お腹が丸出しだぁ」
「だめです、反則です。お腹をへっ込めています」
「腹筋が割れていなーい、これは見苦しい。連日の飲酒で若さも弛んだかぁ、どうしたぁ」
「ヒト・リ・モーン選手がペタペタお腹を叩いていますよ」
「その隙にミカ・チヤン選手がグラスに並々と泡盛を注いだぁ。どうやらバ・ア・バークン選手が標的にされた模様です」
「危険な状態ですね」
「でも時間を考えると、ヒト・リ・モーン選手はかなり微妙なところへ来ていると思いませんか」
「そうですね。もうじき、苦いものを飲むパフォーマンスが出そうな雰囲気ですね」
「残念ながら放送時間がなくなってきました。このへんでモグリンピック北千住会場からお別れ致します。実況は尾野次雀、解説は家亜さんでお送りしました。ではまた来週、御機嫌よう」
「さようなら」

結果はみなさん、もうわかりますよね・・・。
モグリンピック、たぶん週末に開催してるかも。


13:08:00 | mogmas | | TrackBacks

February 26, 2006

コテ折れ、力つきた夜

本日は開店と同時に2階席の予約のお客様がいらっしゃり、それから延々9時過ぎまで焼き続けた。
毎年当店を利用して下さるお母様方は、障害を持った子供たちの通う学校の仲間である。
だから小僧やかあちゃんとも親しく、子供たちが学校を卒業して何年もたつのに、毎年集まって歓談するのである。
中には成長した息子や娘と一緒に参加するお母さんもいて、和気あいあいの雰囲気だ。
しかもよく食べる。
そして必ずテイクアウトで何品もお持ち帰りになる。

段取りをしていても、その間にいらっしゃる1階お客様の応対に追われ、てんてこ舞いのうちに時間が過ぎてゆく。
次から次へ新しいコテを使い分け、ついうっかり亀裂の入っていたコテを使用して、ついにポキリと折れてしまった。
3年余り活躍したコテだったが、モノには等しく寿命があるのだ。

画像の表示さらばコテちゃん、安らかに眠れ。

ひとしきり賑わった後、潮が引くようにお客様はお帰りになった。
そこへ、ご近所の寿司屋さんの女将さんがやってきた。
テイクアウトでお好み焼きをオーダーし、寿司ネタで使うイカのゲソを下さった。
大量に仕入れたイカの本身は使うが、ゲソはどうしても余ってしまうのだそうだ。
煮付けなどにしたり、工夫して調理していたが、もう何十年もやっているので、飽きてしまったのだという。
捨てるのも忍びないので、貰ってくれないかということだった。
それはそれはありがたいことで、遠慮なく頂いた。
墨イカの子供だというが、寿司ネタだけにモノはいい。
墨袋とワタがついているので、それを下処理していると、丸呑みにされた小さな鯵が出てきた。

画像の表示子が子を喰らう、弱肉強食、自然の摂理なり。

以前、仕入れたスルメイカを捌いていたら、体内から小鯵が2匹出てきたことがある。
そんなイカが2、3杯いて、結局小鯵は5匹取れた。
天の恵みとばかり、かあちゃんは大好きな南蛮漬けにして、一人で食べてしまった。
イカにエサを与えられたおばさんだ。
なんて安上がりなんだろう。

やれやれ片付けでもしようかというところへ、久しぶりに「モミモミのパパ」がいらっしゃいました。
さてはオヤジのどうしようもない肩こりを、ゴッドハンド・レーダーが察知したのか。
折角なのでさっさと閉めて、飲みに行っちゃいました。

「モミモミのババ」は、美人だけど厳しい奥様に「ヘナチョコ」と呼ばれている。
どこがどう「ヘナチョコ」かは聞かないが、実は「ヘナチョコ」と名付けたのはCちゃんの仕業なのだ。
当ブログでも今後「モミモミのババ」から「ヘナチョコ」先生と呼ぶことにしよう。
スチャラカ旦那もそうだが、奥方に打たれることを無上の喜びと感じる旦那であることは間違いない。
来年のバレンタインデーに「ヘナチョコ」を差し上げましょう。

蕎麦焼酎のそば湯割りを飲んで、気持ちがよくなってきたオヤジは、ついあることを暴露してしまった。
それは密かに「ヘナチョコ」先生の美人の奥方と可愛い娘の「エリカ」ちゃんに、好きになる呪文をかけているということだ。
ある日ある時「ヘナチョコ」先生のあるキーワードで、2人にかけた術が覚醒するのだ。
その日まで先生、せいぜいいい夢みろよ・・・。

なんてオバカなことを肴に飲んでいたら、2時頃になってしまった。
帰り道の途中で「ヘナチョコ」先生と別れ、「最後の砦」のマスターにお疲れさんを言い、家にたどり着いた。
深夜の楽しみ、お金勘定をして、マウスを握りしめたところで睡魔が襲ってきた。
何度も同じところをクリックしてしまう。
もはやこれまで、コテ折れ、力尽きました。
おはこんばんちは・・・・。

15:15:28 | mogmas | | TrackBacks

病院ダイエット

ドスコイ病院のばあさんの病室は4階にあった。
当然444号室なんて番号はない。
しかし427号室はあるのかもしれないと思って、用もないのに廊下を端から端まで歩いてみた。
なかった。
そりゃそうだ、「シ・ニ・ナ」なんて番号の病室に入ったら、治るものも治らない。
日本では4が縁起が悪いが、外国ではどうなんだろう。
13号室とか、666号室なんて部屋番号はないんだろうか?

10日間の入院で、ばあさんは無罪放免で娑婆に出られることになった。
退院手続きを終え、病室に別れを告げ、さて、帰る前にお茶でも飲んでいくかということになったが、お茶よりもあんみつが食べたいと言う。
病院の食事が、どうも難ありで、甘いものが無性に食べたかったのだそうだ。
何度か食事時にその内容を見たが、“オイオイ、金払ってるんだぜ、こっちは”と突っ込みたくなるようなメニューだった。
特にご飯が旨くない。
今どきこれじゃぁお客さんは納得しないだろう、と言いたくなる仕上がりだ。
他のことはちっとも不満はないが、食事だけはなんとかした方がいい。
入院経験豊富なオヤジは、とってもよくわかるのである。

病院内をうろうろしているお相撲さんは、あまり強そうではないが、普通の人より身体はでかい。
このお相撲さんが、標準の病院食で耐えられるのだろうか。
心なしか、浴衣がだらんとだらしなく見える。
痩せてしまったのかもしれない。
お相撲さん用の病院ちゃんこがあれば、やつれずに身体を維持できるのに、無理なんだろうな。

ばあさんも少し痩せてしまった。
食事のせいだと思う。
ダイエットにはとても優れているのが病院食だ。
きちんとカロリー計算して、量や内容は患者にあわせているのだろうから。
しかし、入院患者のほとんどは食事に満足していないと思う。
痩身が目的で入院するわけではないのだから、もうちょっと楽しみにできて、味と質で満足させてくれる病院食を食べさせて下さい。

でも、痩せたい人は今すぐ入院を。

10:12:00 | mogmas | | TrackBacks

February 23, 2006

すてーきな一日

本日はモグランポの3回目の契約更新の日。
つまり9年目に突入したということであります。
大家さんは今年98歳になるおばあさん。
3年前までは元気で、お金を勘定するのが大の楽しみという強者だったが、今は寝たきりのときが多く、オシメのお世話になっているということで、息子さんと娘さんが契約を代行した。
更新はすんなり済み、これであと3年は営業出来ることになった。
目出たし、目出たし。

1つ片付いたので、次なる目的地、ばあさんの待つドスコイ病院へ車を飛ばす。
担当の医師から退院と今後の話があるからということだったが、忙しくてなかなか時間が取れないと言う。
ご繁盛で結構ですな。
ちょうど昼時なので、食事がてら時間をつぶすことにした。

病院の隣りの安田記念公園をまず散策。
画像の表示
晴れた日のお散歩にはもってこいですな。

画像の表示のどかな陽射しのもと、亀さんとアヒルさんが愛を語らっています。

ゆっくりと公園を通り抜け、両国駅の方へ。
前にかあちゃんが電車で両国駅から病院へ来た時、途中に目を付けていた店があるからと、そこへ行くことにした。
ちょうど国技館の正門の向かい、隅田川の水上バスの乗り場の隣りのビル。
画像の表示いい感じのステーキ屋さん。

少々贅沢な気もしますが、かあちゃんの誕生日を全く忘れていた弱みもあり、契約更新が無事終わったことでもあり、よし、肉を喰っちゃるでぇ。

入り口を入るとすぐに冷蔵庫の中にお肉様のお姿が拝めます。
1グラム10円で、お好きな大きさにカットして焼いてくれるのだそうだ。
サーロインにヒレに米沢牛・・・、BSEなどと言うなかれ、どこぞの牛丼とはわけが違う。
しかも今はお得なランチタイムでございます。

画像の表示ジュウ、ジュウ、ギュウ、牛、生唾ごっくん。
奥が1,018円のランチステーキセット、手前は1,995円のヒレステーキセットの牛ちゃんたち。
焼き方は、と問われ、レアでとお願いした。
柔らかい、旨い!!
ランチステーキといえども、ゴムじゃない。
充分OKだ。
150グラムの幸せは瞬く間に胃袋の中へ治まった。
近頃食べたステーキの中では、ダントツに旨かった。
しかも夜のメニューもそんなに高くない。
ご贔屓にしちゃおう。

満足とともに病院へ戻ったが、まだ担当医は手が離せないと言う。
イラッとしつつも、満腹が眠りを誘う。
延々待って4時半を過ぎて、ようやく大先生のお出ましだ。
ばあさんの退院は金曜日に決定。
もうちょっとの辛抱でございます、母上様。

少しホッとした顔のばあさんに別れを告げ、またまた、次なる目的地へ。
一旦自宅へ戻り、小僧を拾い、4号線を下る。
胃袋の平安のあとは身体全体にも平安を与えるのだ。
いざ、日帰り温泉、保木間「じゃぽん」へ。
昨年の11月以来、4ヶ月ぶりの温泉じゃ。
改装してから初の「じゃぽん」だが、浴室に大きな変更はない。
たまりにたまったコリやら疲れをほぐすこと1時間半。
すっかり温まって、かあちゃんと2人ヘロヘロだ。
しかし、腹を減らした小僧はせっかちで落ち着かない。
もう家に帰って何する気もないので、しょうがない、本日2度目の外食だ。

来る途中、道路沿いに新しい回転寿司が出来ていたのを見て、小僧はそこへ行きたいと言う。
じゃあ、唐揚げとかフライドポテトみたいなヘンものが流れてきても、それには手を出さないと約束出来るかと問うと、「もちろんです」と答えた。
怪しいもんだが、もう他に考える頭がないので、その回転寿司へ入った。
鎖を解かれたケモノのように、テーブルへ着くなり小僧の手当たり次第がはじまった。
口に押し込んだかと思うと、もう次の皿を取っている。
そしてちょっと目を離した隙に、ミートボールの乗っかった軍艦巻きの皿が目の前に、うぇっ、なんじゃい、こりゃ。
なんでも乗せればいいってもんじゃないでしょ。
呆れていると、かあちゃんの目があるものに吸い寄せられているのを確認。
なんと、大学芋が流れてきた。
「食べたいんだろ?」
と訊ねると、
「ちょと、ね」
と、思った通りのお答え。
小僧がすかさず大学芋を取る。
やっぱりおまえら、親子だな。
見てるだけで、もう、わたしゃ、お腹がいっぱいですぅ。
結局小僧は23皿食べた。
目標は25皿だったらしい。
お腹をさすりながら、「次回は26皿に挑戦します」と言ってのける。
やかましい、もう次回はないと思え!
喰う気なら、50皿はいけ。
だがお前を、回っていない寿司屋には絶対連れて行ってやらない。
ミートボールもフライドポテトも握ってはくれないんだから。

我が家の水曜日は、こうしてすてーきに終わったのである。

15:31:00 | mogmas | | TrackBacks

お相撲さんの千羽鶴

ばあさんの入院している病室は4人部屋。
お昼ご飯が終わった昼下がり、窓際の老婆のところへ「ばあちゃん」と威勢よく入ってきた女のコは、まるで「ゴリエ」のような格好とメイクで、あたりを憚らぬ声で「これぇ、お相撲さんからぁ、どうぞぅってぇ」と差し出したのは華やかな千羽鶴。

   画像の表示
耳をダンボにしなくても聞こえてしまう女のコの話からわかったことは、退院が決まった患者からまだ入院している他の患者へリレーしていくものらしく、早くよくなって退院出来ますようにとの願いを込めて渡すのだそうだ。
窓際の老婆は、無愛想なやり手ババアのようなしゃがれ声だが、病院のどこかでお相撲さんとよろしくやっていたのだった。
なかなかやるな、ばあちゃん。
きっと入院慣れしているのかもしれない。

女のコは言うことだけ言うと「じゃね、ばあちゃん」と、病室の入り口のところのベッドにいる我々などには一瞥もくれず、足音高く去っていった。
どうやら老婆とは赤の他人らしい。
ひょっとするとお相撲さんの彼女なのかもしれない。
そういえば、整形外科のフロアにあった巨大な車イスがなくなっていたが、でっかい身体を運搬中なのだろう。
ドスコイ病院は大繁盛だ。


13:27:00 | mogmas | | TrackBacks