May 20, 2008

泉堅さん、ごめんなさい


万座温泉ホテル・日進館のウリのひとつに、毎晩楽しい無料のフロアショーと無料宿泊券の当たる抽選会がある。
これは、ま・ご・わ・や・さ・し・い夕食の後のお楽しみなのである。

この宿のオーナーであり、にこやかな女将さんの旦那さんでもあり、エンターテナーでもある「泉堅」さんの生ライブは泊まり客必見なのだ。

フロントロビーには椅子が並べられ、モニタースピーカーやスポットライトもセッティングされ、ショーの開幕を待ちわびた宿泊客が30分も前から席に陣取っている。

演歌好きのかあちゃんは、無料宿泊券欲しさに見る気満々だが、ぱあさんも小僧も“けっこうです”状態で動こうとしない。
オヤジは後学のためと、ネタ作りのために付き合う事にした。
ほんとうは、部屋で飲むつまみを売店で買いたかったのだ。
ロビーに置いてある「パワー・フォー・リビング」のパンフレットと、旧約聖書関連の書籍に違和感を感じていたが、なに“そんなの関係ない”、我はお湯とビールを求めるバッカスの僕、洗髪はすれども洗脳はされない愚か者だ。

♪ チャンチャチャーン ♪
ショーの開幕であります。
こんな山の上でも純白のスーツを着こなして登場した「泉堅」さん、男前であります。
いきなり日本語の「アベマリア」をかまし、続けて若大将の「君といつまでも」でおじちゃん、おばちゃんのハートをわしづかみ、「綾小路きみまろ」ばりのトークで小さな笑いを取る。

その時オヤジは突如ひらめいて、部屋に取って返しタオルと半天を持ってロビーに下りた。

ショーを見る宿泊客の間をすり抜け、ステージの裏を通り、熱唱する「泉堅」さんの傍らで、袖でにはけるポーズを決めて、玄関を出た。
だって、露天風呂に行くのにはそこを通るしかないんだもん。
何人かのおばさんの笑いを取ったのはご愛嬌。

宿から80メートルの距離にある「極楽湯」、思ったとおり貸し切りでござい、ヤッホー。
雨模様になってきたから星はみえないけど、露天風呂のライトの中に風に翻弄される湯気が、まるで生き物のように暴れまわり、湯に浸かる目を楽しませる。
山々は真の闇に包まれ、湯の落ちる音以外は静寂。
さすがの「泉堅」さんの歌声も、ここには響いてこないのだった。

貸し切りの「極楽湯」を堪能したい方は、ぜひショーの合間に。

「泉堅」さん、ごめんなさい。





Posted by mogmas at 10:03:35 | from category: Main | TrackBacks
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