November 09, 2005

イルカの次は鰻

新しいホイッパーを買いに合羽橋へ行った。
天気もいいので、ばあさんと母ちゃんを乗せて、先週のリベンジの羽二重団子と、味を忘れないうちに今度は上野「伊豆栄」の鰻を食いに。

その前に「酉の市」に寄ったが、それはまた別ので書きます。

今日はなぜか道路が混んでいて、パトカーとシロバイがうようよいる。
きっと「酉の市」の酔っぱらい運転を取り締まっているのかも。

合羽橋から池之端まではさほどかからず、「伊豆栄」の駐車場も昼時だというのに空いていた。さすが平日。

江戸時代、将軍吉宗の時代から260年という歴史を誇る「伊豆栄」は、多くの著名人やVIPも愛用した店ということだが、その昔寛永寺の坊主が辛い修行を抜け出して食べに来たという、ウソかホントかわからぬエピソードの方がオヤジ的には好きだ。

南千住の「尾花」のお高い感じはないが、それなりに値の張る店内だ。
肩書き付きの年配のサラリーマンが、昼間からビールを飲み、ゴルフの話なんぞをつまみに鰻を待つ、という光景も見れる。
また、粋なご老人がお一人で鰻巻きなどをつつきながら日本酒を傾ける風情も、こういう店ならではだ。
このご老人、けっこうな常連さんらしく、仲居さんと親しげに会話し、杯を重ねている。店内が混んできて相席のところもあるのに、1人でテーブルを独占し、ゆったりと寛いでいる。
2本目の酒を頼み、つまみを追加し、若い仲居さんと笑顔を交わし、まだ鰻のうの字もない。

そうこうしているうちに注文の品が登場。
画像の表示白焼き・松2100円
画像の表示うな重・松1575円
画像の表示殿重2940円(ランチタイムのみ。夜は3150円 !!)
オヤジのオーダーはもちろん殿重である。

運んで来た若い仲居さんに「くるしゅうない、殿はこちらじゃ」といったら笑われた。ついでに「殿といっても、上に馬と鹿が付くんだけどね」と追い打ちをかけると、一瞬きょとんとしてクスクス笑ってくれた。
若い娘はいいやね。

さて、殿重のなにが殿的かというと、鰻が二段重ねで、ご飯の下にもう1つ鰻が隠れていて、食べ応え充分な一品だからです。
身は「尾花」より締まっている。
タレは、香りを深く吸い込むと、お酒が少々利いていることがわかる。
ご飯はうまい。
肝吸いはいい味だ。
付け合わせのたくあんは、つまむと「サザエさんカット」だったのが悲しい。(注:サザエさんカットとは、サザエさんが切ったタクアンはちゃんと切れていなくて、1つをつまむと全部くっ付いてしまうことを云う)

おいしく頂きましたが、身の柔らかさ、タレのコクなど鰻そのものの評価では「尾花」に軍配を上げたい。
ただ、値段は「尾花」より安いし、気楽に入れるということと、地の利のいいことはこちらに分がある。

いずれにしても贅沢なお昼でありました。
調子に乗ったばあさんは、来週は千住の鰻屋を攻めようなどと乗り気です。
ひょえ〜っ、働け、働けってことですね。
コレステロール値があがるぜぃ。


17:09:43 | mogmas | | TrackBacks

イルカを食べるオヤジ

念すれば通ずとはいいますが、最近たびたび思いが現実化しているので、やはり私はエスパーオヤジなのかもしれません。
宝くじ、宝くじ、宝くじ・・・・。

つい昨日アップしたブログで、イルカを食べたいと書いたら、本日届いた。しかも調理済で。
マジ、びっくり。

プレゼンターは、“バーバーくん”の後輩の彼。
そういえば名前も聞いていなかった・・・。
取りあえず“フリッパーくん”と呼ばせてもらいましょう。

“フリッパーくん”が近々実家に帰るというので、イルカの正確な情報をお母さんに聞いてほしいと頼んだのだ。
グリーンピースにチクルとは言ったが、調理してもってこいなどと図々しいことは言っていないつもり。
よっぽどオヤジが悪逆非道に見えたのかもしれない。
すまないことをした・・・。
次回来たときにはたっぷりサービスしてあげよう。

だが、せっかくの頂き物はありがたく頂戴しよう。
袋に入れられた煮付けからは、ちょっと独特な匂いがもれている。
見ると、クジラ肉のような色をした切り身肉が牛蒡や人参と一緒に煮付けられている。
取り立てて関心がないような素振りでいたかあちゃんは、現物を見た途端、袋から1つまみ取り出しぱくついた。
相変わらずお行儀の悪い油売りだ。
飲み下して一言。
「クジラ、だ、ね」
なるほど。
かあちゃんの故郷ではイルカウォッチングが最近人気だし、クジラは昔から普通に食べているらしいので、味は馴染みがあるのだろう。
しかし、せっかくの貴重なイルカちゃんを、仕事中の立ち食いなどというお下品な作法で食すわけにはいかない。

とっとと片付けをして、城ミチルの「イルカに乗った少年」など口ずさみながら、家へ帰り、身を清め、ちょいと小鉢に盛りつけ、イルカには何が合うかと検討し、日本酒にした。

画像の表示画像の表示

温めて針生姜を飾り、準備万端。
まずはお清めの1杯。
酒は菊姫の「淳」を冷やで。
(なぜ「淳」かわかる人は、モグランポに久しく来て頂いている人ですな)

さてさて、大きめの肉を満を持して1口、ガブリ。
もう1口。
クジラ、だ、ね。これは。
ただ、クジラよりちょっと独特な匂いが強いかな。
そこがいいのよ、という人と、ちょっとごめんなさい、という人とに別れそうですな。
煮付け自体の味は、懐かしいお母さんの手料理そのもので、少し甘みが強く、故郷のある青少年は涙なくして食べられないでしょう。

故郷もたないオヤジは、ちょっと七味を振ってさらに食べる。
脂身のところはジュワッと濃厚。
比較的肉は硬め。
歯ごたえは酒のつまみにいい、いい、い、噛み切れない・・・。
入れ歯じゃないぞ、まだ。
咀嚼、咀嚼、咀嚼。
皮付きの肉を発見。
咀嚼、咀嚼、そ、そ、そ、だめだ、こりゃ。
ウエットスーツを齧っているようで、イルカちゃんの弾力のある硬い皮と肉を食い破るには、サメの歯と顎が必要かも。
酒を飲むのも忘れ、イルカと格闘した結果、手と口の回りは油でベトベト、独特の匂いがヒゲにまとわりつき、クビッとやった酒の味が変だ。

うーん、イルカ食うのはけっこう大変だ。
でも“フリッパーくん”、貴重な体験をさせてもらいありがとう。
今度合ったときに、もしオヤジがイルカ臭かったら、「トリトンオヤジ」と呼んでください。
お母さんにはくれぐれもよろしくお伝えください。
たぶん同年輩だと思いますが、タレントでいうと誰に似ているのか、こっそり教えて頂けたら幸いです。

では。








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