March 31, 2006

島の行商人、帰京

今月2度目の沖縄から「ヒトリモン」先生が帰ってきた。
またまた島の行商人のように、大荷物をもってやって来た。
まいどまいどお裾分けにあずかる。

画像の表示しこしこ新鮮な海ぶどう。

はじめて食べたばあさんも感激して、「ヒトリモン」先生の家の方角に向かって手を合わせる。
いいんだいいんだ、毎週のようにオヤジとかあちゃんが、彼を親切に連行して連れて帰ったお礼なんだから。

画像の表示琉球バナナ。
通常のバナナと比べるとこの大きさ。
味は酸味があって、繊細な甘さ。
ウキーッ、おいちい。

「ヒトリモン」さすがにお疲れのようで、イナバウアーの素振りも見せずに早々とお帰りになった。
また来てねー、アルツの泡盛もよろしくね。


16:09:45 | mogmas | | TrackBacks

人は見かけによらず

スチャラカ3号が誕生した夜、「最後の砦」のオヤジの隣りに座っていたのは、この店の超常連「タカちゃん」だ。
ちゃん付けで呼ぶのは申し訳ないほどのお年ーたぶん55、6といったところか。
本名を知らないから「タカちゃん」と呼ぶよりないのだが、スチャラカ3号は「おじさん、ヘンだよ、おじさん」と遠慮なく呼んでいた。
「タカちゃん」はオヤジの知る限り毎日カウンターに止っていて、つねにヘベレケで、毎度同じもの(グラスの中身が何だかは不明)を氷が溶けるまで大事に飲んでいる。
あるときはテレビにうなづき、またあるときはろれつの回らないだみ声で何事かを喋り続け、それに飽きると腕組みして舟を漕ぐ。
他のお客さんとトラブルを起こすようなことはなく、じつに穏やかで、人が話していると耳を傾けているみたいなので、意識的にギャグをかましたりすると、肩を振るわせて顔を背けて笑ってくれる。

早い時間にモミモミのパパ(この時点ではまだスチャラカ3号ではなかった)と隣り合わせて「美空ひばりブラジル公演」のテレビを見ていたらしく、すっかり頭の中はひばり=お嬢になっていて、“しーおやのみさーき”やら「悲しき酒」、「柔」などを口ずさみ、むかし話を聞かせてくれる。
「大将、あんた何が好きだ?」と顔を覗き込まれて、「♪真っ赤にも〜えた〜♪」と答えると、ニヤッと笑い、「おめ、そりゃ、ブルー・コメッツだっぺ、お嬢ミニスカートだぞ」と、当時のことを知らないスチャラカ3号には全然通じない話題で盛上がった。

しかし、そのあと人は見かけによらないと思わせる話題に転じた。
ビートルズの東京公演の話から、「タカちゃん」の左手はギターのフレットを押さえる手つきになり、cコードやFコードを正しくさまよい、右手はピックをもっているように動いたのだ。
「おめ、りっけんばっかーだぞ、しってっか、え、しってっか」とツバキを飛ばしながら得意満面で語ると、知ったかぶりのスチャラカ3号は「知ってまーすよぉー、サッカーでしょ」なんて答えてしまうものだから、「タカちゃん」ますますツバキを飛ばし、「おめ、ばか、りっけんばっかーだよ。じょんれのんだ。じょーじはりすんだぞ」とまくしたてる。
何のこっちゃかさっぱりわかっていないスチャラカ3号は、「おじさん、ヘンだよ」を連発し、オヤジのグラスのハイボールを奪って飲んでしまう。
これはもうこの男限界だ、と見てお勘定し、「タカちゃん」に別れを告げて店を出たのだが、確かにあの手つきはギターを弾いていた者じゃなきゃできないと感じた。
ひばり=お嬢も好きだが、ビートルズもリッケンバッカーにも造詣があったとは、お見それしました。

おっさんはただ歳をとっただけじゃないんだぞ。
ベッケン・バウアーとリッケンバッカーの区別もつかないような者に、「ヘンなおじさん」呼ばわりされる筋合いはない。
もっといろいろ学ばんかい!!
以上、「タカちゃん」に成り代わり主張してみました。

ちなみに、えらそうに言うオヤジも、リッケンバッカーについては曖昧な点があったので、ここに追記します。

「リッケンバッカー」というのは有名なギターメーカーで、ビートルズのジョン・レノンやジョージ・ハリスンがビートルズ初期に愛用したエレキギターであります。
実はオヤジは、ポール・マッカートニー愛用のヴァイオリン・ベースが「リッケンバッカー」だと勘違いしていました。
ポールがビートルズ時代に愛用していたペースはホフナー社製。
ソロやウィングスの時に使っていたのがリッケンバッカー社、4001。
ついでに、「永ちゃん」がキャロル時代、解散ライブで使用していたのはフェルナンデス社、FYB-70(通称、琵琶ベース)。

あぶない、あぶない、うろ覚えの知ったかぶりはいけません。
そうでなくても「アルツの里」を彷徨うことが多くなっているのだから・・・。


09:55:00 | mogmas | | TrackBacks