June 27, 2007

上野でニヒヒ


千住市場の海苔屋さんが、「社員一同高齢のため」という切ない事情で店を閉めてしまったため、お好み焼の仕上げにかける「島田海苔」を別のところで調達しなければならなくなった。

だがこんなこともあろうと、すでに同様のものを売っている店を上野で探しておいた。
小僧に買い物を頼むときのために、その店を教えておこうと考え、ついでにプリンターのインクとキムチも買うべく、二人して上野へ出かけた。

余計なものに目がいかないように、早々とインクと「島田海苔」を買ってしまう。
袋の中を確認すると、海苔屋のおじさん、おまけで別の海苔をひとつつけてくれた。
二ヒヒ、気前がいいおじさんだ。

昼も少し回り、腹ごしらえをしようと、「昇竜」へ入る。
「昇竜」はガード下の店も猥雑な感じでいいのだが、汗をかくことを予想して、少し離れた地下の店に入った。昇竜
いつもながらの威勢のよさで、スキンヘッドの大将が「ラーメン、イーガー!チャーハン、リャンガー!」とだみ声を張り上げている。
25年ほど前は、この大将も“お兄さん”だったことを思うと感慨深い。
「昇竜」の餃子はとても大きく、食の細い人はこれ一皿でお腹がいっぱいになってしまうほどだが、ボテ腹親子は各自一皿ずつ、さらにラーメンとチャーハンも食べるのだ。

ふとカウンターの上に並べられている酒のボトルを見ると、なんだかレトロな花札のようなラベルの芋焼酎を発見。
最近は「昇竜」も居酒屋並みに酒の品揃えがよろしいようで、初めて見る銘柄も多く、ついその芋焼酎の一升瓶を手にとって蔵元を確認すれば、なんと、かあちゃんの故郷でただ一つの焼酎蔵「天草酒造」ではないか。
米焼酎の老舗かと思えば、限定の麦を出したり、今度は芋までとは・・・。
俄然、手に入れて飲みたくなってきた。
地元の人間が下戸だと、酒情報は伝わってこないのがネックだ。
今日「昇竜」に入ったのは偶然だが、この芋焼酎「池の露」に巡り合わせようというバッカスの神の計らいだったのかもしれん。
これは早速家に帰ったら調べて、取り寄せよう。
二ヒヒ、またまた楽しみである。

腹がいっぱいになり、酒情報も入手したので、続いて、こちらも20年近く通っているキムチ屋さん「アリラン亭」へ向かう。アリラン亭
最近は店の人もすっかり小僧の顔を覚えてくれて、ときどきサービスのゴマをもらってきたりする。
ここのキムチはオヤジ好みの辛さで、時間がたつほどに酸味が出た旨さがあとを引く。
毎日韓国から白菜を空輸して、おばちゃんたちが丹念に漬け込んでいる。
以前モグランポでこのキムチを食べた韓国の人に、
「コレハ、ニッポンノキムチジャナイデスネ」
と指摘されたことがある本格派なのだ。

この「アリラン亭」の女主人、オモニは色白の韓国美人だが、もうかなりの高齢で、最近はすぐ疲れて寝てしまうのだと、孫なのか、応対の女性が話してくれた。
彼女がふと顔を上げ、オヤジと小僧の顔を見比べ、
「お兄さん、ですか?」
と尋ねた。
二ヒヒ、二ヒヒ、お兄さんとな。
そうですか、そんなに若く見えますか。
いやいや、小僧が老けて見えるのかいな?
ともあれ、お世辞半分といえども気分がいい。

こうして、「お兄さん」と小僧は買い物の袋を提げ、意気揚々と帰路に着いたのであった。
二ヒヒ、上野もいい街である。

Posted by mogmas at 10:40:20 | from category: 前頭葉発熱親父 | TrackBacks
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