April 27, 2008

フンドシ軍団のリンダリンダ

  
「ジョニー&ヒカルちゃん」が初めてモグランポに来た時、たしか雨が降っていた。
二度目も三度目もやはり雨だったような気がする。

幸か不幸か雨の夜はお茶引きになりがちだったから、彼らは格好の話し相手になった。
ヒカルちゃんがとっても人なつっこくて、ほどよく天然だったのも打ち解けた一因だ。

「ジョニー」は辞書を片手に、おぼつかない日本語で言葉数も少なかったが、好奇心旺盛な紳士で、店で最初に彼が覚えたセリフは「またね」かな?

彼らは他の常連さんたちとは時間帯も曜日も違うときに来てくれていたので、長らく「東京蟒蛇倶楽部」のオバカナイトとは接点がなかった。

結婚式の司会を努めた「M・Cバーバー」とはほんの2年半ほど前からの付き合いだが、なんだか妙にウマが合ったのだろう、片や日本語を習得中のスコットランド人と、「aちょこっと英語」の宮城県人は、まともに言葉が通じなくてもアイコンタクトと空気でお互いを理解し、特に下ネタ関係では抜群の連携を見せるのだった。

「さすがはピナスの持ち主同士だ」
注:ピナスとは、まあアレのことですな。男の暴れん坊将軍ネ。

と言ってからかうと、今でも「ジョニー」は恥ずかしそうに笑う。

そんな「ジョニー」たちスコットランドご一行様はカラオケが大好きで、「HUB」ではとうてい満足できず、三次会はカラオケルームに流れた。
部屋に落ち着くなり、どんどん選曲し次々歌うのは手慣れたものだが、ビシッと和服をきめたオヤジとかあちゃんを前に、アゥェーにもかかわらず洋楽ばかり、1曲ぐらい演歌を歌わせろと内心思うも、ノリノリの「チームスコットランド」はいたってマイペース、キルトの下にフンドシをしめているのも意識せず、ゆるい楽曲ばかり歌うのだった。

あっというまに1時間が過ぎ、〆の1曲は「M・Cバーバー」選曲による「THE BLUE HEARTS」の「リンダリンダ」を「ジョニー」が熱唱。
スコットランド人が ♪ どぶね〜ずみー ♪ なんて歌っているのはちょっとおもしろかったが、調子コキ「M・Cバーバー」がどう教えたのか、サビの「リンダリンダ〜」は全員立ち上がってジャンプしながら大合唱だ。
「ジョニー」のママも楽しそうに跳ねて歌っている。
ジャンプするたびキルトの下からフンドシがチラチラのぞく。
「リンダリンダ〜」この単純な繰り返しが「チームスコットランド」はえらくお気に入りで、傍で見ていたら異様な光景かもしれないが、この1曲で我らは国境を越えた。

光陰矢のごとし、終電ですよぉ〜。
走る、キルトにフンドシの「チームスコットランド」。
山手線内回りにダッシュ。
しかぁし、外回りの間違いだった。
あわてて階段を駆け下り、ホームを移動する「チームスコットランド」。
キルトが揺れ、フンドシがなびく。
無事ホテルまで辿り着けるのか ?
hurry up !!
hurry up !!

「すいません。スカートはいた外国人男性の割引サービスってないのかなぁ」
終電間際の駅員を困らせるオヤジ。
いささか疲れて、座席に座るジョニーの開いた足の間から、だらしなく垂れ下がるフンドシちゃん。
さあ今夜はそのフンドシちゃんもキルトも何もかもとっちゃって、ピナス様の大活躍だぁ。
などと言うと、顔を赤らめる「ジョニー&ヒカル」純情新鮮インターナショナルカップルでございます。

あれから2週間。
「ジョニー&ヒカル」は、およそ1ヶ月間のヨーロッパ中を巡る新婚旅行に出かけた。
スコットランドでの結婚パーティーは200人も人が集まるのだという。
大キルト軍団の中で、しっかりフンドシをしめてくれるのだろうか ?

ほんとうに縁は異なもの味なものだ。
貴重な体験をありがとう。
お幸せに。
ズキュン !



Posted by mogmas at 15:38:59 | from category: 前頭葉発熱親父 | TrackBacks
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