November 11, 2005

「酉の市」夜の部・番外編

「酉の市」の行われる鷲神社の周辺は、浅草や合羽橋などの賑やかな表の地域と、山谷、泪橋といったちょっと近寄り難い裏の地域とに囲まれています。
山谷は三野・三谷ともいい、台東区の旧町名。
明暦の大火で元吉原町の遊郭が類焼し、新しい遊郭がこの地にできたことで新吉原ともいわれます。
落語や江戸川柳にある山谷通いとは、遊郭に通うことで、実際歩いてもほんのわずかな距離に、今でも超有名な泡のお店がひしめいています。
それこそこの辺りをうろついていたビートたけしなどが通った店などもあり、世界の北野になっても花輪をでーんと出すところが武監督のいいところだと思います。

地理不案内の方のために親切な案内所がたくさんあります。
画像の表示画像の表示
画像の表示信頼と実績の「角海老」の案内所にはバトカーも横付け。ご苦労様です。
今夜はおまわりさんも総動員だ。

公園ではトイレの順番待ちの人たちの長い列が出来ています。
若者や見物の人たちとは明らかに違う年配の人たちが、車座になって演奏中。
ギター、アコーディオン、ハーモニカ。曲は「異国の丘」。
物悲しい旋律が切々と奏でられています。
昔とった杵柄なのか、流しのように巧みな演奏。
輪の真ん中に、何が入っているかはわからねど、一升瓶が蓋が開いたまま置かれてありました。

ふと気づくと、背後に大柄な年配の警察官が立った。
股間に隠し持った44マグナムを、もしや悟られたか。
さりげなく聞く。
「おまわりさんもトイレの順番待ちですか?」
「そうですよ。みなさんと一緒です」
さすが法治国家。
日夜市民の安全を守るたいへんな職業なのだ。
どこぞの“軽卒官”とはわけが違う。
つづいて聞いた。
「今夜はあっちこっちで大変でしょう」
「まあ、毎年のことですから。喧嘩や小競り合いはしょっちゅうですよ。でもこの辺りはまだいいですよ」
「はあ、あっちの方ですね」(山谷方面を指差す)
「そうです。斬った、刺されたなんてざらですから」
平然という。
「でもあまりニュースにはなりませんね」
「そうですね。暴動でも起きない限りは」
なるほど。我々一般市民の知らないところで、今夜も誰かが血を流していたりしているんだ。
おまわりさんと並んで社会の窓をひらいた。
横目で見たおまわりさんのアレは“ドデカ”だった。
頼もしいかぎりである。

この後しこたま飲んで、駅へ向かう道すがら、またしてもえらそうに酒や下町のなんたるかを、清廉潔白な先生方とそうでもないCちゃんに滔々と話しながら行くと、働くおじいさんに出会った。
画像の表示画像の表示
酸素吸入の管を鼻にさして、商店のシャッターに粋な絵を描いていた。
御歳80歳!!
完成までにあと2週間。
画像の表示この下絵通りの絵が出来上がる頃、また浅草へ来よう。
がんばれおじいちゃん!

下町っておもしろいでしょ。
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俺もいま猛烈に飲みたくなっちゃった。
「飛雄馬よ、あれが栄光の酔っぱらいの星だ」
「父ちゃん、俺はその星を目指さないよ」
「まて、飛雄馬。父ちゃんを置いてかないでくれぃ!」

長々とご清聴ありがとうございました。

Posted by mogmas at 16:20:48 | from category: 前頭葉発熱親父 | TrackBacks
Comments

イレーザー・HG・ラモン:

ほんと長いよー!
モグマス。
読む側の身にもなってくだハイ!
なとかして フォー!
(November 11, 2005 17:10:21)

mogmas:

人のことなどおかまいなしさ。
早くパソコンを買って下さい。
(November 12, 2005 01:07:27)

ともだち:

「よげんの書」によると、近々お店に「ともだち」と「サダキヨ」が行く予定です。
覚悟いたせ!
(November 14, 2005 13:10:05)

mogmas:

「サダキヨ」?
「サダコ」じゃなくて?
男だか女だかはっきりさせてくらさい。
それによって身の振り方も違うんだから。
(November 14, 2005 13:39:36)
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