June 13, 2006
りゅうちゃん
ワールドカップの夜は、てんでヒマヒマちゃんだと油断していた。以外にも早い時間から忙しくて、汗だくになってしまった。
間違って作ってしまったチューハイを、チビリチビリと飲みながら、黙々と焼き続けて22時半。
ようやく客足が切れた。
街も静かで、みなさんテレビの前で熱くなっているのかと、片付けの準備を始めた。
ふとテイクの窓の外に目をやると、知った顔が遠慮がちに覗いている。
「どうぞ」と声をかけると、「遅くにきちゃったし、でも素通りはわるいと思って・・・」と入り口でモゾモゾするのは、もはや当店では貴重なMac使いのデザイナー「りゅうちゃん」と彼女の「おミネさん」だ。
久しぶりのご来店。
オヤジは彼にOS9を借りっ放しだ。
まあ、まあ一杯といっても、遠慮しいしい席につき、伊達眼鏡ではにかんで話すところによると、よその店で飲んでいたのだがワールドカップ一色で、サッカーなどどうでもいい彼は居辛くなって出たんだそうだ。
そうかい、そうかい、まあ飲みねぇ。
しかし、世の中欲のない人に福は来る。
生ビールキャンペーンの当たりくじを、サッカー嫌いの「りゅうちゃん」見事に当てちゃった。
久しぶりなのでいろいろ話をしていたら、彼が「仮面ライダー」好きで、ガシャポンや食玩のフィギアにはまっていることがわかった。
なんだ、そういうことならもっと早く言ってくれれば、「トカゲ男」や「蜘蛛男」なんかはいっぱいあったのに。
あらかた子供たちにあげてしまったよ。
まだ在庫があるかもしれないので、今度さがしておきましょう。
しかし彼は、フィギアに対してなかなかマニアックな見方をする。
隠れオタクの“ケ”が充分にありますな。
いいでしょう。
そんな話はいくらでも付き合いましょう。
とは言っても、彼は非常にシャイで、店が忙しそうだと見ると遠慮してしまうらしく、なかなか当店での同好の士に巡り会えないでいる。
そんな恥ずかしがらないで、オタク話よりも、オヤジにとっては大切なMac使いなんだから、もうちょっと打解けて林檎を齧りましょうよ、ネ「りゅうちゃん」。
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