February 25, 2007

強風の恐怖

  
風がものすごく、バイクに乗っているとヘルメットが持っていかれそうで、千住新橋の上では横滑りしそうな勢いだった。

道端に止めてある自転車は、横倒し、将棋倒し、腰の曲がったおばあさんは、風に押されてトットと歩かされている。

どこかから飛ばされてきた看板の破片らしき物が、バイクの前をかすめて前上がっていった。
危うくぶつかるところだった。

国道4号線の「バーバー」交差点を左折、店へ向って進んでいくと、前方から左の耳に携帯電話をあて、右手でハンドルを握った、ミニスカートの茶髪のオネェちゃんがセンターラインを超えて、真直ぐオヤジのバイクに向ってくるではないか。
顔は前方を見ているようだが、心の目は携帯の向こうの相手にそそがれ、まったく対向車線のオヤジに注意を払っていないのが明白だ。
直ぐに停まれるようにブレーキをかけ、スピードを落とした。
そのとき、一陣の突風が茶髪のオネェちゃんを直撃、中国雑技団とはほど遠いバランス感覚の片手ハンドルは、ヨロヨロッとしたかと思うと、オヤジのバイクの直前で横倒しになった。
しかし、理不尽なプライドの高さだけは持ち合わせているオネェちゃんは、なんとか片足でふんばり、死んでも携帯は離しませんとばかり、スッテンコロリンだけはまぬがれて、「チクショウ ! 」と携帯に一言、その時はじめてオヤジに気づいたとでもいうように、ものすごい形相で睨みつけ、火事場の馬鹿力よろしく、自転車を片手で立て直し、「なに見てんだよ。このクソオヤジ」という一瞥を残し、脱兎の如く通り過ぎて行ったのである。

嗚呼、恐ろしい。
こんな「我が道を行く」「世の中アタシ中心に回っている」オネェちゃんを轢かないでよかった。
風の神様は、バッカスの神の断食をちょっとだけ破ったオヤジに罰を与えようとされたのでありますか ?
それとも、ラーメン屋さんでお忍びバイトしている「アベ総理」に、国会で「携帯片手ハンドル運転禁止法案」を具申せよと申しているのでありましょうか ?
「美しい国」には、携帯も茶髪も片手ハンドルも不要ということでありましょうか ?

皆様、強風にはくれぐれも注意をしてくださいませ。


Posted by mogmas at 14:51:43 | from category: 前頭葉発熱親父 | TrackBacks
Comments
No comments yet
:

:

Trackbacks