June 11, 2006

メタボリックな夜

ジャケットのポケットに両手を突っ込んで、「ヒトリモン」先生が8時過ぎに現れた。
「真面目に仕事をしているから遅くなったんだ」と一言ことわり、おもむろにジャケットの中から泡盛の4合瓶を2本取り出した。
家からそうやって持ってきたのだが、考えてみればそうとう怪しい。
まるでいい歳して、酒屋で万引きしたみたいだ。
で、今夜は「久米島の久米仙」と「久米仙」の飲み比べだ。
オールマイティーですっと飲めるのは「久米島の久米仙」、泡盛のクセを楽しみたいなら「久米仙」がいいようだ。

先日「バーバーくん」の手により“サマー”な髪型になった「ヒトリモン」だが、そのジェルでヒョイと立たせた髪型をみた「おちょこくん」はすかさず、「先生、それ半分寝グセだよね」とするどい指摘をくらわす。
まだ酔うほど飲んでいないにも係わらず、「いいじゃねぇか。なんか文句あんの」と決めゼリフを早くも飛ばした「ヒトリモン」、これで今夜も強制連行が運命づけられたと悟るオヤジなのであった。

予定通り「お客さん終電ですよ」と耳元で言って起こし、強制連行の途上、すばらしいフレーズが浮かんだ。
みなさん、ミュージカル映画を想像して下さい。
陽気な、踊りたくなる音楽を頭の中で思い描いて下さい。
それでは、自分なりにリズミカルに身体を動かし、ハミングなんぞして、次の歌詞を口ずさんで下さい。
どうぞ!

メタボリック すてきな響き
メタボリック 知的な言葉
誰もが憧れる セレブな感じ
今夜はじめて知った 人とちがうこの身体
もう手放せない ラクチンすぎる毎日

メタボリック うらやむ視線
メタボリック 膨らむお腹
いつでも訪れる 入院ライフ
いつか貴方にも来る 人とちがうこの身体
もう迷わないで 満腹できるひととき

だけど悲しい目をして 見つめるのは なぜ
軽蔑するよな目をして 薄笑いは なぜ
流行りものの あたり前の 
チョイ悪オヤジはどこにでもいる 
姿形も大切だけど 中身もりっぱな中性脂肪

メタボリック すてきな響き
メタボリック 知的な言葉
誰もが憧れる セレブな感じ
みんな横目でチラリ 人とちがうこの身体
もう引き換えせない ふしだらすぎるこの夜


どうでしょう?
どなたか曲をつけてくれませんかね。
けっこういいと思うんだけど・・・。

べつに「ヒトリモン」とオヤジがそうだとは言いません。
でも「メタボリック先生」とか「メタボリックオヤジ」と呼ばれても抵抗は感じません。
嗚呼、待ち遠しい。
もうじき「メタボリック・サマー」がやってくる。

13:41:55 | mogmas | | TrackBacks

東京芸術センターの空虚

6月5日(月曜日)の足立朝日の記事より抜粋。

『今年4月にオープンした東京芸術センターの目玉として注目を浴びていた「黒澤明塾」が5月16日に閉鎖し、塾生の募集も中断することになった。
同塾を運営する黒澤明アカデミーによると、塾の女性スタッフ2人が、当時提携関係にあった2社とトラブルを起こし解任されたのが事の発端。
その責任を取って塾長だった野上照代氏が辞任届を提出し、学長であった仲代達矢氏も野上氏の辞任に伴い学長の職を退任した』

フン、お粗末の極み。
予定通りだね。
映画館が一館もない街、千住には黒澤も愛想つかしたか、中途半端で懐を肥やしたのはだれだ。

これを受けて区のだしたコメントは、なんともはや、能天気で責任のないものだ。
要約すると「大変残念だ。関連事業はぜひ継続していただきたいと考えている」
以上。

ふざけるな!
いままでさんざん揉めて、二転三転したあげく、軒先き貸して母屋盗られるみたいな条件で、鳴り物入りでおっ建てた区役所跡地の箱モノは、「東京芸術センター」などという“お偉い”の自尊心と懐だけを満足させる名前をつけたものの、エントランスも各施設も中途半端で空虚で不親切な冷たいビルだ。

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黒澤撤退の2ヶ月前だが、この有様。
いろいろなウワサはあるけれど、不確かな事は言ってみてもしょうがない。
しかし、現地へ行ってその雰囲気を肌で感じれば、何かがおかしいと誰もが思うハズ。
すべての責任は現場レベルではなく、見もせず踊らされた上の者の責任だ。

最上階の「天空劇場」が聞いて呆れる。
高い金を払って、狭くて座り心地の悪い仮設の椅子で、ご大層なお芸術にひたりたい人は行くがいい。
まるでお役所のイベントホールだね画像の表示画像の表示キッチキチです。一度真ん中の席に座ったら、トイレには立てません。
およそ優雅な気分にはなれそうもない、寒々とした劇場。

ビルの運営は民間企業におまかせで、店子が何をやっても大家は知らん顔。
儲かろうが、儲かるまいが、ダメんなりゃその時はその時さ、日和見は一日にしてならず。
耐震偽装じゃないけれど、中身のなさは設備業者に聞けば一目瞭然だろう。
「シンドラー」のリストに載っていなくてよかったね、てなもんだ。
タバコがすえない健康的なビルだから、酸欠の金魚みたいにプカプカする人が入り口脇にたむろして、それぞれに煙を吹き上げる光景は、浅草の場外馬券売り場を連想してしまう。
たいしたお芸術センターだ。

そのために追加で税金払ってもいいから、もう一度ぶっ壊して更地にして、映画館を建ててくれ!
でなきゃ「黒澤明神社」とかなんとかでっち上げ、「映画終焉の地」として観光名所にしろ。
区民としてのお願いだ。
でなきゃ、映画好きの区民はそろって亀有へ引っ越してしまうぞ。
ますます年寄りだらけの「姥捨て区」になってもいいのかい?
以上、区長のコメントをお待ちしております。

09:09:00 | mogmas | | TrackBacks