January 31, 2006

今更ですが、新人類?

3人の若者がカウンターでメニューとにらめっこ。
1人は年かさでピアスに茶髪、あと2人はこの間成人式でやんちゃしちゃいました、という感じの今風お兄ちゃん。
茶髪くんとやんちゃ1号は青リンゴサワーとミルクハイ、やんちゃ2号は携帯に夢中です。
年かさの茶髪くんが気をきかせて言います。
「オメェ、ナニスンディェヨー」
携帯からチラッと顔を上げたやんちゃ2号は、
「アア、ナンディェモイイヤー」
と、だるそうに答えて再び液晶画面に目を落とす。
伝票を手に注文を聞いていたオヤジが、やんわりと一言。
「何でもいいなら他所へ行ってもらってもいいよ。どうでもいいものでお金を頂くのは悪いからね」
3人顔を上げる。
「オメェ、チャントォタノメヨォ、ワリィダァロォ」
と茶髪くん。
「アア、スンマシェェン、ジャ、ウーロンハイ」
そして、失礼なオヤジの一言もどこ吹く風、仲間内でしか通じないような内容の会話をひっきりなしにくっちゃべりながら、食事がはじまりました。

彼らの会話でオヤジに理解出来たのは、しょっちゅう出てくるフレーズ、
「テメ、ウゼーヨォ、ゼッテェチゲェーヨォ、マジカヨォー、ザケンナァヨォー」
ぐらいだった。
ここは地の果て北千住、若者言葉も国際化しているのか、ものすごく言いにくいイントネーションが連発されます。
もはや新人類などと言う言葉は死語になったと思っていたが、オヤジにはとてもできない発音を繰り出す彼らの顎が、外人並みに進化したとしか思えない。
つまり考えやモノの見方という内面だけでなく、小さい頃から添加物たっぷりの食事漬けになった肉体が、ついに骨格から変化し本当の「新人類」になったのかもしれない。

会話と食事は唐突に終わった。
「スンマセン、オアイソシテクダサイ。ウマカッタッス」
「ゴチソウサマデシタ。マタキマッス」
おお、礼儀正しい部分が残っていたのか、それは失礼した。
まだ、多少は通じるモノがあったのか、よかった。
しかし、店には彼らのようなタイプは滅多に来ない。
だからこちらに慣れがないのかもしれない。

同じ20代でも「バーバー」くんや「ポッター」くんやNくんは、そんな言葉遣いはしない。
友達同士だとそんな言葉が出るのかと思って聞いてみたが、そうではないということだ。
汚い言葉遣いは嫌だと言う。
うーん、新人類の補完計画はまだ順調にいっていないらしい。
モグランポの常連さんの彼らは、旧世代に属する男たちなのだ。
だからオヤジは心打解けて話ができるのである。
“古いヤツだとお思いでしょうが、古いヤツほど新しい者をほしがるものでございます。ああ、今夜も酒が沁みるぜぃ”

13:47:08 | mogmas | | TrackBacks

January 30, 2006

横浜のふとっちょくん

新しいブログ仲間ができました。
「自転車な一日」というタイトルの、一人息子とのほのぼのした交流を綴る内容です。
作者は「横浜のふとっちょくん」。
先日悪魔1号とともに来店し、朝6時まで飲み明かした男であります。

彼もまたオヤジのお勤め人時代からの付き合いで、なぜ私が悪魔00かという理由を身を以て体験している貴重なヤツであります。
オヤジは当時、はったり口先営業であったので、技術系の彼のような男がついていないと、すぐにボロがでてしまう危うい毎日でありました。
だから感謝とともに、愛情の裏返しで悪魔のようないたずらをしてしまったのであります。
今考えても、とてもオバカなハチャメチャぶりでありました。
しかし、彼も遅刻の常習犯であり、遅刻の理由を問われて「電車が渋滞してました」と平然と答える強者だったので、そもそも打たれ強かったのでしょう。

あれから十数年。
お互い立場が変われど、話ができるということはやはり縁があったのだと思います。
ブログデビューおめでとう。
リンクを張らしてもらいます。


14:34:29 | mogmas | | TrackBacks

ウメさんのギプス

千住という下町でありながら、「もんじゃ」もなく、お客様にも焼かせないお好み焼屋の当店は、戸惑う関東圏の人たちの他に、関西圏のお客様がよくお見えになります。
大阪を除く関西圏の人は、わりと控えめで、打解けるまでには少々の時間がかかるのですが、ベタベタの大阪人は“こりゃもうかなわんわ”というぐらいに溶け込みが早いのが特徴です。
梅博士の「ウメさん」は、そんな典型的な大阪人体質を持った方です。
オヤジのオタクの師匠、K氏と共通点を持ったベタベタエロイ関西人なのです。

「ウメさん」は当店でのオヤジとのファーストコンタクトを今でも糾弾します。
お勤めの社長さんと2人で来た時に、オヤジが無愛想だったと。
確かにそうでありました。
残念ながら、ベタベタな関西弁の男2人に愛想を振りまく器量はありません。 
ところが彼女と一緒に来たときは、オヤジの態度が豹変したというのです。
ごめんなさい、確かにそうでありました。
でも「ウメさん」に気を使ったのではなく、あくまでも女性に対して配慮したのであります。
イタリア仕込のフェミニストと覚えておいて頂きたいのであります。

新年早々、交通事故で松葉杖をつく羽目になっても来店して下さる気風の良さ。
飲み過ぎて帰り道にコケても、懲りずに来て下さる男気。
いやいや、ベタベタの関西人の底力を見せつけてくれますなぁ。
なによりも、にこやかに微笑んで介助してくれる彼女の存在が一番の魅力ですな。
あと10日もすればギプスが取れるというのに、じっとしていられないムズムズを内側からアルコール消毒しようとは、アホの坂田もお手上げですわ。
皆さんのエールをギプスに書けば早く治るのだと、そこに居合わせた酔っぱらいの勝手な一言をギプスに記した。

画像の表示画像の表示
あーあ、しーらないっと。
医者とナースに軽蔑の目で見られちゃいますな。
酔いが醒めたらどうなることやら・・・。

居合わせた悪魔2号「ヒトリモン」に向かって、自分も悪魔と呼ばれたいと宣う。
わかりました、あなたは会員番号悪魔5号ということにしておきましょうか。
素面の時に署名血判といきますか、今更後悔したって手後れだぞぃ、悪魔との契約には覚悟がいるのだ。
ゆめゆめ彼女を泣かせるような目にあわせてはなりませぬ。
右申し伝え候。

10:14:00 | mogmas | | TrackBacks

貢ぎ物&お詫びの品々

悪魔1号も悪魔2号も、オヤジに対して負い目があるのですな。
すると人は物品でなんとかしようとするのですな。
そして俗物オヤジはシメシメとほくそ笑んでしまうのですな。
しかし、独り占めしてウハウハはできない小心者なので、皆様に振る舞ってしまうのですな。
結局悪魔どもはそれを承知なんですな。
つまり、同じ穴の狢はやることも見えているんですな、悲しいかな・・・。

かくしてモグランポには、正規の仕入れ品ではないおご馳走がしょっちゅうあるわけで、常連さんにはお裾分けがあるのですな。
悪魔どもの痛みとともに・・・。

で、今ある品々。
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左端より、悪魔2号の貢ぎ物、臭っさい泡盛「しらゆり」、なかなかコクのある「常磐」、今や幻となりつつある「石垣島ラー油」。
悪魔1号のお詫びのアイリッシュウイスキー「JANESON・12年」、グッときちゃいます。
いずれにしても、「くださいっ」「はいよ」ってわけにはいかないものなので悪しからず。

くれぐれもお酒は楽しく頂きましょう。
節度をもって、限界を知って。
すべての人の内には悪魔がひそんでいるのですから。


01:14:34 | mogmas | | TrackBacks

January 29, 2006

記憶喪失三悪魔饗宴

去る27日夜、モグランボは三人の悪魔にカウンターを占拠された。
何も事情は知らないご新規のお客様は、異様なオーラに打たれさぞや困惑したことだろう。
店主としてお詫び申し上げます。

元祖悪魔1号が昨年の秋頃から、不完全燃焼の右曲がり理不尽大魔境に落ち入っていたことは知っていたが、2週間前の13日の金曜日、ついにその結界が壊れ、10時半を過ぎた頃、かつてないほどの大悪魔になって現れたのだ。
その時に運悪く居合わせたお客様は、恐れをなしていっせいにお帰りになり、初めて悪魔を目の当たりにした「ミカちゃん」夫婦もドン引きであった。
悪魔は大声で理不尽妄想をまくしたて、オヤジに「お前は映画のエの字もわかってない」というものだから、「ガの字」はどうだと突っ込んで更に火に油を注いでしまった。
もはや店にいてもラチがあかないと判断し、迷惑をかけても目立たない明け方まで営業しているチェーン店に場を移した。
多少おとなしくなった頃を見計らって帰路についたのだが、その途上、悪魔は再び理不尽魔境に落ち入り、16、7年来の付き合いのオヤジが本気で怒る事態になってしまった。
電車も財布の中身もないのにおっ放り出すのは忍びなかったが、子供じゃないのだから後は知らない。
その日から、Cちゃんが命名した“あっくん”などという可愛気な呼び名は捨て、悪魔1号と呼称することになった。

その後一週間悪魔1号から音沙汰はなかったが、どうやら自分勝手な「禊」を済ませたとかで、電話とメールで詫びを入れてきた。
そしてその夜のお出ましとなったのである。
だが心強いことに、その夜は「横浜のふとっちょくん」が一緒で、取りあえず押さえは出来ている。
悪魔1号の名誉のために言っておくが、普段の彼は身なりのいい(スーツの胸ポケットからチーフを覗かせている洒落者)男で、仕事ぶりも誠実なのである。
お酒とストレスって怖いよね・・・。

悪魔2号「ヒトリモン」は、またしても超臭っさい泡盛「白百合」を持参して、一番乗りでカウンターのいつもの席に陣取った。
彼もまた普段はいい男なのだが、週末ドランカーの性でピッチが早く、何度も同じ過ちを繰り返してしまうのである。
しかし今夜は頼もしき職場の後輩「らーめん」くんが同席し、危険をいち早く察知できる。

そして1号2号を従えるかのように、カウンターの中央に布陣したのは、龍の女悪魔Cちゃんである。
その夜はスチャラカ旦那が会社の飲み会で遅くなるとかで、彼女一人の野放し状態だ。
だがCちゃんは頼る者がない方がしっかりしている。
“舌”好調で悪魔1号2号を手玉に取る勢いだ。
さすがに危機意識がはたらくのか、生ビールオンリーでガンガンいく。
他の酒に手を出さなければ、彼女はかなりイケル方だ。

こうして夜は更けていき、お約束どおり悪魔2号はつぶれた。
苦いものを飲み下すような表情がでたらもう最後なのだ。
壁と「らーめん」くんにガードされて、反省ザルのように頭をたらす悪魔2号を放っておいて、1号とCちゃんの丁々発止が展開される。
さすがに悪魔1号はセーブしているのか、いつになく謙虚だ。
いつまで続くかお手並み拝見だ。
するとCちゃんから一言。
「人のことを悪魔呼ばわりするけど、mogmasだって大悪魔じゃないの」とキツイお言葉。
そうです。
その通り。
私も悪魔の仲間であります。
我こそは悪魔00なのだ。
そして深夜のこの店は悪魔城である。
記憶喪失3悪魔ではなく、4悪魔に訂正させて頂きます。

しかし悪魔城もとっくに閉店であるので、場を移さなければならないのだ。
次なる悪魔集会の場で供されたのは、
画像の表示地獄のように煮え立つ鍋と、
画像の表示魔物のような背骨についた肉をしゃぶるご馳走だ。

やはり悪魔の胃袋は特別製にできているのか、両の足で無事帰ったのは、夜も明ける午前6時を過ぎていた。
一同明日の記憶が楽しみだ。

でも、何事もなくて??よかった。

14:28:54 | mogmas | | TrackBacks